ついにこの日が来た。筆者が2018年7月に、ZOZO(旧スタートトゥデイ)に注文した同社のPB(プライベートブランド)商品「ビジネススーツ」と「ドレスシャツ」のセットが、二度の出荷延期を経て、ようやく我が家に届いた。10月5日のことである。
この3カ月間に筆者が味わったZOZOとの間の奇妙な体験については、この記者の眼で過去4回にわたって紹介してきた。いよいよ今日で最終回になる。
10月1日の「記者の眼」に書いた4本目の記事では、商品不良による二度目の納期遅延の通達と、その翌日にZOZOから「10月4日に商品を届ける」と連絡してきた驚きの急展開に触れた。これには読者から大きな反響があった。
これで10月4日に三度目の出荷延期となれば、それこそ「詐欺か」と書くところだった。幸い、そうはならず、ZOZOは予告通りに商品を届けてくれた。
実は一抹の不安があった。10月4日の発送当日、本来なら事前に届いていいはずの「発送手続きが完了しました」というメールが、ZOZOから来なかった。「また延期か?」と思った矢先、夜11時過ぎになってZOZOよりも早く、配送を請け負うヤマト運輸から「商品お届けのご案内」というメールが来た。そこには「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)の商品を10月5日にお届け予定」とあった。どうやら無事に発送されたようである。一度は商品不良で出荷延期を伝えてきたZOZOが突貫工事で筆者のスーツとシャツを作り直し、出荷にこぎ着けたことになる。
もっとも、10月5日になってZOZOから「商品の発送手続きが完了しました。(中略)商品の到着までもうしばらくお待ちください。」とのメールが届いたときには、筆者は既にヤマト運輸から商品を受け取り済みだった。今回の商品発送がいかにイレギュラーな対応だったか分かる。ZOZOTOWNのスマートフォンアプリにある注文履歴も「発送済み」に変わっていた。
今さらだが、筆者にとってスーツとシャツをネット通販で購入するのは初めてのことである。背が低い筆者は、既製品の一番小さなサイズでも、自分の体には大きすぎることがほとんど。なのでスーツとシャツはネットで買ったことがない。
逆に私服については、最近はユニセックスの商品が増えたこともあり、筆者にとっては選択肢が大きく広がった。それに多少サイズが大きくても、デザインが気に入れば平気で買っている。そうした普段着はビニール袋に入っただけの状態で段ボール箱に詰め込まれ、自宅に届くのがネット通販では一般的。割れ物ではないので、筆者は過剰な包装は必要ないと思っており、気にならない。
しかし、スーツとシャツはそうもいかない。通常スーツを店舗で買うと、専用のスーツ袋に入れてもらえる。そう考えると、もしスーツが段ボールに雑に詰め込まれていたら、しわくちゃになってしまうかもしれない。いったい、どんな形で自宅に届くのか、それが楽しみだった。
ヤマト運輸から商品を受け取り、とにかく驚いたのが段ボール箱の大きさ。ZOZOTOWNのロゴが入った横幅の長さは約70cmある。思わず「デカ!」と叫んでしまった。スーツとシャツが荷崩れしないように入っているのだから、これぐらいの大きさにはなるのだろう。まるでイケアで家具を買ったときのような箱の大きさだ。