2020年9月末の昼すぎ、私用のスマートフォンに電話がかかってきた。画面に表示された番号を見ると、長い数字が続く見慣れないものだった。戸惑ったが、その番号が「+」から始まっていることから国際電話ではないかと考えた。私用のスマホに海外から電話があることは考えづらく、出ることはしなかった。
着信の後で調べてみると、「+1877」で始まる番号は米国からの国際電話だと分かった。これが最近噂になっている不審な国際電話かと思うと同時に、もし電話に出たり、折り返したりして金銭被害などのトラブルに巻き込まれたらと思うと怖くなった。
最近、不審な国際電話の話を耳にする機会があったが、正直あまり気にしていなかった。自分にかかってきたことをきっかけに、こうした電話は実際に増えているのか、実害はどのようなものがあるのかに関心が湧いた。そこで、日々様々な相談が寄せられる国民生活センターに聞いてみた。
1万8000円の国際電話請求が!
「統計データまでは取っていないが、国際電話に関する相談は目に見えて増えている」。国民生活センター相談情報部相談第2課の飯田周作氏はこう教えてくれた。「電話に出たら外国語の音声案内がかかった。国際電話料金がかかっていないか不安だ」という相談がほとんどで、中には実際に金銭被害に遭ったケースもあった。その内容は以下のようなものだった。