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 新型コロナウイルスで立ち入りが制限されている施設があるなか、開校してから10年以上たつ小学校を取材する機会に恵まれた。取材したのは、千葉市立の美浜打瀬小学校だ。

 学校施設を得意とするCAt(東京・渋谷)が設計。近くに立つ、日本建築学会賞(作品)を受賞した千葉市立打瀬小学校と同様に、教室と廊下の仕切りがない「開かれた学校」として話題となった。教室間には、多人数が集合できる共有スペースや、1人で落ち着いて過ごせる小上がりのスペースなど多様な空間がある。

 校内に足を踏み入れると、教室がしっかりと使い込まれていることが一目で分かった。至る所で生徒の作品が目に入る。教室後ろの小上がりのスペースにはコルクマットや机が設けられており、生徒が1人で楽しめる折り紙やナンバープレースのセットも置いてあった。チョークで書き込みができる黒壁には、楽しげなクイズが並んでいる。

美浜打瀬小学校の教室の後ろにある小上がりのスペース。家具の工夫などによって、日常的に使い込まれている様子がうかがえる(写真:日経アーキテクチュア)
美浜打瀬小学校の教室の後ろにある小上がりのスペース。家具の工夫などによって、日常的に使い込まれている様子がうかがえる(写真:日経アーキテクチュア)
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美浜打瀬小学校の教室の後ろにある黒壁。クイズが書き込まれていた(写真:日経アーキテクチュア)
美浜打瀬小学校の教室の後ろにある黒壁。クイズが書き込まれていた(写真:日経アーキテクチュア)
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 実はこの小学校では、専門家が教室づくりを長年サポートしている。建築計画が専門の千葉工業大学の橋本都子教授をはじめ、教育学や音環境の専門家などによる「オープンスクール研究会」というグループだ。学校施設の使い方や設計の意図に関する研修会を毎年開いている。

 こうした活動は、教員から好評だ。教室づくりの参考になったとする声や、モチベーションアップに一役買ったと評価する声が上がる。

 新たな試みを取り入れた施設において専門家がサポートする意味は大きい。教員は標準的な教室に慣れ親しんでおり、この学校のようなオープン型の教室に戸惑う場合が多いからだ。ある教員は着任当初、使い方が分からず、可動式の家具を間仕切り代わりに使ったり、小上がりのスペースを物置に使ったりしていたという。

 教員や生徒の自主的な努力に頼るのも難しい。「公立校において、先生は授業や面談の準備などに忙殺されて、教室スペースの工夫まで手が回らない。加えて、教室の使い方に注文をつける生徒もいないのが普通だ」(橋本教授)