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 「これからはインフラ×健康ですよ」。先日、グリーンインフラの取材で、国の技術者から聞いた話が、頭に残っている。

 緑がストレスの低下や血圧の安定化などに効果があることは、これまでの論文で報告されている。新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、遠出を自粛したことによって、近場にある公園や緑地などで過ごす機会が増えた。実体験によって、緑の効果を認識した人は少なくないだろう。

東京都世田谷区にある「ぽかぽか広場」。給水池の上に造られた公園で、遊具などはなく、小高い丘と広さが特長。コロナ禍では多くの家族連れが利用していた(写真:日経コンストラクション)
東京都世田谷区にある「ぽかぽか広場」。給水池の上に造られた公園で、遊具などはなく、小高い丘と広さが特長。コロナ禍では多くの家族連れが利用していた(写真:日経コンストラクション)
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 この効果を公園だけでなく、インフラ全般にも発揮させることができれば、周辺に住む人たちはもっと健康に、そして幸福になるのではないか――というのが、冒頭の技術者の意図だ。

 建築では、バイオフィリックデザインの概念が先行して導入されている。人は本能的に自然環境に接することで幸せを感じるという考えを空間デザインに反映するのだ。既に大手企業などでは執務スペースや会議室に緑化などを施している。

 では土木、インフラの業界はどうか。国土交通省は既に、健康に寄与するインフラ事業を展開している。例えば、居心地がよく、歩きたくなる街の整備だ。街路空間を車中心から人間中心の空間へと再構築。沿道と路上で多様な活動ができる場とする。2021年9月末時点で、315都市がこの取り組みに賛同し、「ウォーカブル推進都市」に名乗りを上げている。