全1393文字
PR

 近年、クルマの安全性向上に大きく貢献しているのが先進運転支援システム(ADAS)である。だが、そこまでの派手さはないかもしれないが、安全性の向上に着実に寄与しそうなものも登場してきている。ここでは、SUBARU(スバル)の新型ワゴン「レヴォーグ」を例に、そうした技術を見ていきたい(図1)。

図1 スバルの新型ワゴン「レヴォーグ」
図1 スバルの新型ワゴン「レヴォーグ」
(出所:スバル)
[画像のクリックで拡大表示]

 安全面において新型レヴォーグの最大の特徴は、最先端のADASを搭載していることである。だが、その陰に隠れて「こんなところにも」と思わせるような安全性向上の取り組みがある。

 その1つが、助手席のエアバッグである。運転席にはニーエアバッグを採用するが、助手席にはシート・クッション・エアバッグを採用した(図2)。同社の国内向け車種としては、初採用である。

図2 レヴォーグの助手席のシート・クッション・エアバッグ
図2 レヴォーグの助手席のシート・クッション・エアバッグ
白く膨らんでいるのが、シート・クッション・エアバッグ。(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 ニーエアバッグは、前面衝突のときに通常のエアバッグと同時に展開し、運転者の脚部を保護する。一方、シート・クッション・エアバッグは、前面衝突のときに座面の前方を膨らませて乗員のももを持ち上げる。これにより、骨盤を固定しているシートベルトとセットで乗員をしっかりとシート上に保持し、通常のエアバッグが適切に当たるようにして、乗員を的確に保護する。

 運転席のようにニーエアバッグを使わなかったのは、助手席の乗員は運転に携わっていないことから、運転者と違って座っている場所を限定しにくいため。例えば、助手席では後席側に極端にシートをずらしていたり、背もたれを極端に倒していたり、足を伸ばしていたり逆に曲げていたりする。また、子どもなど背の低い人が乗る可能性もある。このため、ニーエアバッグでは届かなかったり逆に干渉し過ぎたりするため、助手席の乗員を適切に保護しにくい。