気が付けば自宅の収納ボックスの1つをUSBケーブルが埋めつくしていた。その多くがIT機器に付属するMicro USBケーブルだ。ネットオークションで処分する場合は本体と共に手放すことになるが、機器の故障や分解修理の失敗などでケーブルだけがむやみにたまっていく。そこで品質を測定してから一気に捨てることにした。
USBケーブルがデジタル信号を流すケーブルであれば、フェライトコアがあるとか、コネクターがスリムなどの理由で残せばよかった。何らかの理由で伝送に支障が出れば「USB 2.0でリンクしない」「OS上で認識しない」などのエラーが出る。不具合が出ないケーブルから必要な本数を残し、あとは捨てればよい。
ところが今のUSBケーブルは、給電や充電に使うことがほとんどだ。導体としての品質を測らずに捨てるわけにもいかない。電圧と電流を測定し、電線としての能力が低いケーブルを整理する。
特別な機材無しに簡単に測定できるのは、スマートフォンやタブレットなどのバッテリーを充電する時間を測る方法だ。ただバッテリーの充電はバッテリーコントローラーが温度や充電回数などに応じて制御するのが普通で、ケーブルの品質だけを測る用途には向いていない。
測定条件をそろえるために、USB機器の電圧や電流を計測できるUSB電力計と負荷抵抗器を利用した。10ドル前後の価格で入手できる中国ハイダンス(HIDANCE)のUSBテスターだ。電源側と機器側の間に接続すると、電圧や電流、抵抗などが測定できる。USB機器が消費する電力の測定が主目的の装置だが、USB機器の代わりに一定の負荷をかける負荷抵抗器をつなげればケーブルの品質測定にも使える。