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 地方銀行が勘定系システムの共同化を本格的に始めてから約20年がたった。今は地銀の多くがNTTデータや日本IBMなどが手掛ける勘定系システムの共同利用サービスを使う。ITベンダー主導の共同化はITコストの削減やシステムの安定稼働で一定の成果を見せたが、デジタル人材の育成などで課題も浮き彫りになっている。菅義偉首相が意欲を示す地銀再編が、共同化のあり方を見直すきっかけの1つになるか。

 「地方の銀行について、将来的には数が多すぎるのではないか」「再編も一つの選択肢になる」――。菅首相の一連の発言などをきっかけに、地銀の再編機運が盛り上がっている。2020年11月には、同一県内の地銀の再編に道を開く合併特例法の施行も控える。

菅義偉首相は「(地銀)再編も一つの選択肢」と発言している
菅義偉首相は「(地銀)再編も一つの選択肢」と発言している
(出所:内閣広報室)
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 すでに具体的な動きもある。台風の目になっているのがSBIホールディングスだ。同社は2020年10月23日、群馬県の東和銀行と資本提携すると発表した。子会社を通じて、発行済み普通株式総数の1%を上限に東和銀行の株式を取得する予定だ。同社は「第4のメガバンク構想」を掲げており、同構想関連での出資は東和銀行で5行目となる。

 こうした再編に合わせて、焦点の1つに浮上しているのが、勘定系システムの共同化のあり方だ。地銀が2000年ごろに共同化に本格的に踏み出してから約20年が経過し、弊害も出ている。再編をきっかけに、商品・サービスや店舗網だけでなく、勘定系を中心にシステムのあり方を見直す地銀が出てくるのは確実だ。

 SBIホールディングスの北尾吉孝社長は「特にIT業界はNTTデータはNTTデータ、日本IBMは日本IBMと自社のシステムで囲い込むのが当たり前になっている」と語る。ITベンダー主導の共同化システムは外部のシステムとデータをやり取りしづらく、地銀の新サービス創出の壁になっていると問題視した。