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過去の交流会での苦い経験生かす

 NTTデータ イントラマートが分科会形式でユーザー会を立ち上げた背景には、過去の苦い経験がある。実は同社は2000年代中ごろにも「技術者交流会」というユーザーの集まりを開催していた。intra-martで業務システムを開発する技術者が情報交換するための会だ。だが技術者交流会はあまり盛り上がらず、「マンネリ化してしまった」(NTTデータ イントラマートの七島泰介デジタルビジネス推進室BIORA推進グループアライアンス担当ディレクター)という。

 技術者交流会は2012年ごろまで続いたが、その後十分な参加者が集まらず、開催されなくなった。原因を分析してみると、対象者を絞ったことがよくなかったという結論に至った。「対象を開発者に限定したことで、途中からネタ切れ感が強くなった。結果として単調な会の繰り返しになってしまった」(七島氏)。

 IMUGの分科会形式には、技術者交流会で得た経験を生かした。イノベーション分科会で広くユーザーを取り込み、製品そのものや活用事例についてとことん情報交換したいユーザーには製品・サービス分科会や課題解決分科会に参加してもらう。裾野を広くして参加者を取り込むことでそれぞれの会を盛り上がらせ、マンネリ化を防ぐわけだ。

ベンダーにとっても「宝の山」

 製品の話をしないことで、一見商売っ気がないようにも思えるが違う。NTTデータ イントラマートにとって、会で出てくるユーザーの意見は「宝の山」なのだ。

 同社は今までITベンダーなどの代理店経由で製品を販売することが多く、エンドユーザーの意見を拾いづらかった。だがユーザー会で生の声を得られれば、製品を改善し、満足度の向上につなげられる。結果として離脱率の低下や、新規ユーザー獲得の機会増加を狙えるわけだ。

 今後IMUGが順調に参加者を増やし、長期にわたって盛り上がり続けるようであれば、成功するユーザー会の貴重なお手本となるだろう。近年ノーコード開発ツールの普及など、システム開発の「市民化」(非IT部門によるシステム開発)を推し進める流れがある。ITに精通していないユーザーは、専門用語が並ぶようなコンテンツを敬遠しがちだ。こうした「市民」も取り込み、エンジニア向けにはより難度の高い歯ごたえあるコンテンツを提供、うまく住み分けしていくことはユーザー会を盛り上げるために有用だと感じた。

 NTTデータ イントラマートは技術者交流会を開催していたとき以上に体制を厚くしており、運営するのは各部門の選抜メンバーだという。現在は50社規模だが、2021年度は100社に参加してもらうことを目指す。