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 その一環で22年1~2月ごろにMRI(磁気共鳴画像装置)を利用し、Kawaii製品などが脳にどのような影響を及ぼすのかを調査する。具体的には神経細胞が集まる灰白質の密度を評価し、脳の健康状態を数値化する。「前述のようにKawaiiは人間の幸福などに影響を与えている。脳の健康の維持には勉強や運動が良いといわれるが、Kawaiiがそれらと比較してどのような影響を脳に与えているのかを評価したい」(PwCコンサルティングディレクターの山川義徳氏)

 将来的にKawaiiを使って感情にアプローチし、人間の活力を高めるような世界も見据える。山川氏によると、脳の健康状態が良いと、人は活発に行動するという。一方で脳の健康状態が悪いと意欲が低くなり、状態を改善するための勉強や運動のやる気さえ出ない。そこで脳の健康状態が悪い人にKawaii製品を与え、意欲などを高められるようにしていきたい考えだ。

 まだサンリオエンターテイメントやPwCコンサルティングが進めるKawaiiの研究は発展途上だ。課題としては他の感情データを利用したビジネスのように、ユーザーの負担を抑えてデータ収集し、そのデータから人間の心身の状態を推定できるようにしていかなければならない。ただすでに「ユーザーがどのような生活時間を過ごしたのかというアンケート結果と、脳の健康状態がどのような関係にあるのかが明らかになってきた。現在、この研究結果などを受け、スマートウオッチなどのウエアラブルデバイスを利用して脳の健康状態を推定しようとしている」(山川氏)。研究を続けることにより、将来的に実生活で負担ない技術の実装が進む可能性がある。

 日本はさまざまなキャラクターコンテンツを保有する国家である。コンテンツなどが人々の感情にどのような影響を与えるのかをしっかり検証することで、新たなビジネスを数多く創出できる。例えばKawaii製品をレコメンドできるサービスが誕生することで、コンテンツ市場が膨らむだけでなく、個人の心身の状態、ある空間内の人間関係などを変える未来も訪れるかもしれない。