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リスキリングで給料2倍も?

 もっともこれは、リスキリングを社員に促す企業側の視点から見たものだ。ではリスキリングをする側である社員個人はどう考えるのだろうか。企業のリスキリングの取り組みに詳しい多摩大学大学院の徳岡晃一郎教授は、「これから入社してくる若い人材は経験がないどころか、自分(先輩・上司)より高いデジタル技術を持っている。リスキリングでデジタル技術を身につけることはキャリア寿命を延ばす上で必須」と、若手を迎える既存社員に発破をかける。2022年から高校でプログラミングが必修科目になることもあり、十分あり得ることだろう。

 追い立てられるような話ばかりではない。リスキリング関連の普及促進を図るジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗明代表理事によると、海外ではリスキリングによって昇給したり他社に移籍してキャリアアップしたりといったことは珍しくないという。自分の現在のスキルを測定し、デジタル技術を身につけて隣接するデジタル分野の仕事を選ぶ、そしてその先で理想の仕事を選んで給料を2倍に増やすといったロードマップを示してくれるサービスもあるという。

 こうして見ると、リスキリングは社員個人にとっても決して悪い話ではないと感じる。リスキリングを取材していて、かつて日本企業では英語ができることにより社内で重宝されたり、外資系企業で働く機会を得たりした時代があったことを思い出した。現在もそうかもしれないが、これがデジタル技術に取って代わってきたように感じている。