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 先週、第63回電池討論会(2022年11月8~10日)を取材してきた。もう10年以上、電池討論会をほぼ毎年取材してきたが、今回目立ったのは、ナトリウム(Na)イオン電池(NIB)の進展だ。全固体NIBについての講演も複数あった。

 背景には、中国や欧州でのリチウム(Li)イオン2次電池(LIB)の製造量拡大の勢いがすごく、Liの供給がそれに追いついていないことがある。結果、炭酸Liの先物価格は2020年当初の10倍以上に高騰し、しかもその傾向が収まりそうにない(図1)。炭酸Liは2017年前後にも一度高騰したが、その時の価格水準がかわいらしくみえるほどに今回の高止まりは顕著で、今後のLIBの価格への影響も深刻だ。

炭酸リチウム(Li<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>)の中国での価格の推移
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炭酸リチウム(Li2CO3)の中国での価格の推移
縦軸はLi2CO31トン当たりの中国元での価格(出所:英Statista)

 こうした背景を考えると、実質的に無尽蔵で、しかも地球のどこでも安価に入手できるNaを使うNIBへの研究開発のシフトも自然な流れだろう。