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 先日、久しぶりにガジェットを衝動買いしてしまった。米Facebook(フェイスブック)が2020年10月13日に発売したゴーグル型のVR(仮想現実)製品「Oculus Quest 2(以下Quest 2)」だ。2016年に購入したPlayStation VRはケーブル接続などの準備が大変だったり、焦点が合わせづらかったりしたので3~4回しか使わなかった。しかし「4年もたてばデバイスも進化しているだろう」という期待を込めて購入した次第だ。

 筆者がVRを初めて体験したのは26~27年前になる。セガ・エンタープライゼス(現セガサミーホールディングス)が開発した「VR-1 スペースミッション」というアトラクションだ。実家の隣県のテーマパークで期間限定のイベントがあると聞き、喜び勇んで車を走らせた。しかし当時のVRは実用にほど遠く、ピンボケの映像を見せられたままプレイを終えてひどくがっかりしたのを記憶している。

多機能ぶりに進化の速さを改めて実感

 「3度目の正直」として購入したQuest 2に抱いていた期待は、7~8割程度は満たされた。PlayStation VRはPlayStation 4につながないと利用できないが、Quest 2はパソコンがなくても動作するスタンドアロン型だ。ケーブルの接続や取り回しを気にしなくてもいいことが、ここまで使い勝手のよさにつながるとは思っていなかった。

 焦点も合わせやすく、両手に持つコントローラーの位置や角度の検出精度も高い。PlayStation VRで気になっていた、鼻息でディスプレーのレンズが曇る現象もあまり起きない。VRゴーグル本体の外側にあるカメラでプレイエリアを設定・検知する機能や、本体側面をタップするとディスプレー表示が仮想現実から現実世界(カメラの映像)に切り替わる機能など、4万円以下で入手できるガジェットとは思えない多機能ぶりだ。VR機器の進化の速さを改めて実感した。

筆者が購入したVR製品「Oculus Quest 2」
筆者が購入したVR製品「Oculus Quest 2」
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 米国でヒットしていると聞いていたQuest 2は、日本でもかなり売れているようだ。購入を検討する際に「Amazon.co.jp」や家電量販店などの通販サイトをいくつか見て回ったところ、PlayStation VRのときほどの品薄感はないものの近日入荷予定のサイトが多かった。筆者もそうだが、税込み3万7100円からという価格を「破格の値段」と捉えている人が多いのではないか。

 Quest 2が搭載する「Qualcomm Snapdragon XR2」は、最新のハイエンドスマートフォンに使われる「Snapdragon 865」相当の性能を持つシステムオンチップ(SoC)だ。メインメモリーも6ギガバイトとミドルレンジのスマホ並み。ディスプレーの解像度は3664×1920ドット(1眼あたり1832×1920ドット)と、既存のハイエンド製品と同等かそれ以上の性能を備える。

 2019年に発売された初代の「Oculus Quest」に比べて性能が大幅に向上しているにもかかわらず、価格は1万円以上(初代は税込み4万9800円から)も下がった。ハードウエアを赤字覚悟で広く普及させて、ソフトウエア販売で利益を出そうとするフェイスブックの覚悟がうかがえる。