全1914文字

 5Gはまだ使えるエリアが狭いという話がよく出てくるが、対応端末は着々と増えているようだ。MM総研が2020年11月に発表した「2020年度上期 国内携帯電話端末の出荷台数調査」によると、2020年度通期のスマホ出荷台数(予測)は2915万台で、うち28.6%に相当する833万台が5G対応のものになる見込みだという。

 例えばNTTドコモが2020年11月5日に発表した2020ー2021冬春モデルは、スマホ7機種中6機種が5G対応製品である。SIMロックフリーの製品も、キャリアほどではないが5G対応が進んでいる。特に2020年10月から11月にかけて発売されたiPhone 12シリーズ4機種で、選択肢が増えた感がある。

iPhone 12も、残念なミリ波対応状況

 今、5G対応製品に関して気になっている点がある。筆者は仕事柄SIMロックフリースマホのスペックを調べる機会が多い。日本で使われている5G用周波数の一部に、対応していない機種が目に付くのだ。

 5G対応機種のスペックは、対応する周波数帯を「n+数字」で記載する。日本では、Sub6と呼ばれる6GHz以下の周波数帯はn77、n78、n79の3つ、ミリ波と呼ばれる28GHz帯はn257が使われている。

 携帯各社の対応周波数帯は以下の通り。

  • NTTドコモ:n78、n79、n257
  • KDDI(au):n77、n78、n257
  • ソフトバンク:n77、n257
  • 楽天モバイル:n77、n257

 筆者が知る限り、現時点でSIMロックフリーでn257に対応している製品はない。ミリ波は低い周波数に見られる電波が回り込むという特性がなく、屋外から屋内などで壁に浸透しない、いわば通り抜けにくい性質がある。その一方で割り当てられた周波数幅が広いため通信速度の高さを期待できる。

 よってn257に対応しない機種は、28GHz帯の基地局が今後増えても、速いという5Gのメリットを十分に享受できない。その点、日本で販売されるiPhone 12シリーズがミリ波非対応である(米国向けは対応)のは残念だ。

機種名n77n78n79n257
HUAWEI P40 Pro 5G
HUAWEI P40 lite 5G
Google Pixel 5
Google Pixel 4a(5G)
iPhone 12 Pro Max
iPhone 12 Pro
iPhone 12
iPhone 12 mini
TCL10 5G
Xperia 1 II
ZenFone 7 Pro
ZenFone 7
国内で販売中の主なSIMロックフリー5Gスマホがサポートする周波数帯
メーカー仕様表を基にまとめた。ただしTCL 10 5Gは販売を手掛けるプラススタイルが出している情報を基にした