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 実は下山技師は知る人ぞ知るすご腕技術者だ。2017年までコンピューター将棋ソフト「Ponanza」の共同開発者を務めていた。米光チーフセキュリティアナリストは「その事実を昨年の大会で交流して初めて知った。社内にはすごい人がいるものだと改めて分かった」と話す。

 参加者の半数はセキュリティーを主業務としていない技術者だ。「昨年、1人で参加して4位となった人に話を聞くと普段はメインフレームの保守運用に携わっていると聞いて驚いた」。コンテストの実績が買われて、今はセキュリティー専門家に異動したという。発掘に効果あり、である。

 一方、若手はどうか。普段は同社の情報漏洩対策ソフト「秘文」の開発に携わっている入社1~2年目のメンバーを中心としたチーム「Oden」は12チーム中7位と善戦した。メンバーに話を聞くと「集中して疲れたが楽しかった」「あっという間だった」「スコアが常に変動してゲーム感覚でのめり込めた」と口々に話した。次回も出場するかを問うと「もちろん」と返ってきた。表向きの理由も個人的な思いも達成されたようだ。

入社1~2年目のメンバーで挑んだチーム「Oden」。左からチームリーダーの津川卓也氏、高附勇介氏、土屋海晴氏、佐藤浩司氏
入社1~2年目のメンバーで挑んだチーム「Oden」。左からチームリーダーの津川卓也氏、高附勇介氏、土屋海晴氏、佐藤浩司氏
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稼ぐ出口も必要

 その2日後の11月15日、富士通が2014年から始めて今回で8回目となる「セキュリティコンテスト」の本戦を開いた。毎回趣向を凝らすが、今回は初めてオンラインの予選を開き、全国のグループ社員を参加しやすくしたのが特徴だ。131チーム529人が72問に挑み、成績上位者40人が本戦に臨んだ。

今回で8回目となる富士通の「セキュリティコンテスト」
今回で8回目となる富士通の「セキュリティコンテスト」
(2018年11月15日、東京・港)
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 「従来は予選に100人程度の参加だったがオンラインにしたことで大幅に増えた。本選出場者もこれまでは顔なじみが多かったが、今回は半数が知らないメンバーだ」。コンテストの運営を引っ張る佳山こうせつサイバーセキュリティ事業戦略本部サイバーディフェンスセンターマネージャーは「発掘」の成果をうれしそうに話す。

セキュリティー人材育成に注力する富士通の佳山こうせつサイバーセキュリティ事業戦略本部サイバーディフェンスセンターマネージャー
セキュリティー人材育成に注力する富士通の佳山こうせつサイバーセキュリティ事業戦略本部サイバーディフェンスセンターマネージャー
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 「本戦までは互いに存在も知らなかったメンバーだが、今日が終われば気軽に連絡し合える仲になる」とネットワーキングの効果も見込む。発掘も実績があり、譲渡したモバイル事業から参加した技術者のレベルが高いと分かり、現在はセキュリティー業務に従事しているという。