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 2019年10月の台風19号では、実際の浸水範囲が浸水想定区域図とほぼ一致したケースが数多く見られた。この結果から、浸水は予測されたものだとして、避難せずに被害に遭った人に対し、自己責任だと断じる声も聞かれる。

台風19号で決壊した那珂川右岸の堤防(写真:日経 xTECH)
台風19号で決壊した那珂川右岸の堤防(写真:日経 xTECH)
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 確かに、浸水したエリアだけに着目すれば、浸水想定区域図はかなりの割合で当たっていた。ただ、そもそもこの図は、1つの河川に氾濫箇所を多数設定し、それぞれの氾濫で想定される浸水範囲を全て重ね合わせて作成する。どこが氾濫するか分からないので、少しでも浸水の可能性のある範囲を幅広くカバーしているわけだ。ここまで広げれば、想定が当たって当然とも言える。

 だが、忘れてならないのは、浸水想定区域に入っていながら、浸水しなかった場所の方がはるかに多いという事実だ。国土交通省の発表によると、台風19号で浸水した面積は全国で3万2300ha(19年10月28日時点)。一方、14年に同省がまとめた資料によると、浸水想定区域図で浸水が見込まれると判定されたエリアは全国で200万haだという。