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 IT革命、ネット革命、デジタル変革(DX)――。記者として25年にわたりIT分野に携わるなかで、「革命」や「変革」を含むキーワードを何度か目にしてきた。登場してすぐ使われなくなったバズワードも多いが、冒頭の3語のように何年も使われる強いキーワードがある。その背景には決まって革新的な新技術が存在する。

 日経BPのIT系雑誌のバックナンバーを1997年から調べたところ、IT革命とネット革命の2語はどちらも1999年ごろから使われていた。背景にある新技術は何といってもインターネットだろう。1990年代初頭まではオフィスでもパソコンをスタンドアロン(ネットワークに接続しない利用形態)で使うケースが多かったが、徐々にLANに接続するようになり、1990年代後半にはインターネットが爆発的に普及。産業、日常生活、政治など社会全般に大きな変革を及ぼしたのはご存じの通りである。

 ではDXという言葉の背景にある新技術は何か。こちらはIoT(モノのインターネット)、クラウド、AI(人工知能)、スマートフォン、VR(仮想現実)・MR(複合現実)など多岐にわたる。粒ぞろいの技術がいくつもあることが、DXという言葉を分かりにくくしているのかもしれない。

 それらに隠れているがDXには欠かせない「陰の立役者」とでもいうべき技術がある。「オブジェクトストレージ」だ。

 主にクラウドで利用されるサービスの1つにすぎないが、記者はIoTやAIと同じぐらい重要だと捉えている。それはIoTとAIを合わせたビッグデータ処理基盤を考えると分かる。

 ビッグデータ処理基盤では、IoT機器(各種センサー)などから大量のデジタルデータを収集し、それを蓄積したうえで、AIなどによって分析・活用する。このように「収集」にはIoT、「分析・活用」にはAIという技術が対応付く。その間の「蓄積」に対応付けられるのがオブジェクトストレージなのだ。