全1789文字
PR

 コロナ禍における在宅勤務の増加で、音声コンテンツを聞きながら仕事をしているーー。そんな読者も多いのではないだろうか。筆者もそんな1人だ。これまでは仕事に集中するために好きな音楽を流す程度だったが、最近は環境音のように、ニュースやラジオ、個人配信者の音声コンテンツなどを流すようになった。実は近年、こういった音声コンテンツのニーズそのものが高まってきている。

 米国の調査会社であるEdison Researchによれば、米国における音声コンテンツのリスナー数は年々増加し、2020年には米国の12歳以上の人口の68%が、毎月インターネット上の音声配信やラジオを利用しているという。

米国では音声コンテンツの利用者が年々増加している
米国では音声コンテンツの利用者が年々増加している
(出所:Voicy)
[画像のクリックで拡大表示]

 この勢いは日本にも押し寄せている。いち早く音声コンテンツの配信プラットフォームを整備してきたVoicyでは、週次のリスナー数が2019年から2020年の1年間で4倍に増加。スマートスピーカーに限った月間再生回数も、2020年12月時点で80万回以上と、2020年初頭に比べて2倍に増加したという。

 Voicyは500以上の配信チャンネルを整備している。個人の音声配信者だけではなく、企業が提供する音声コンテンツも配信しており、その件数は50チャンネル以上に拡大している。

 外部SNSとの連携などのUI/UX機能の強化や、企業スポンサーや月額制の有料課金システムといったマネタイズ機能の整備に力を入れ、2021年には再生数に応じた収益化プログラムの開始も予定している。今やVoicyは“音声コンテンツのYouTube”と呼べるような配信プラットフォームへと進化しつつある。

UI/UXの改良や配信者のマネタイズに力を入れるVoicy
UI/UXの改良や配信者のマネタイズに力を入れるVoicy
(出所:Voicy)
[画像のクリックで拡大表示]

 音声コンテンツのニーズ拡大の要因の1つに、米Apple(アップル)のAirPodsのような完全ワイヤレスイヤホンやスマートスピーカーが普及し始めたことがある。手軽な再生環境が整ったことで、歩きながら、働きながら音声コンテンツを聞けるようになった。実際、電車やバスの車内では完全ワイヤレスイヤホンを着けている乗客を多く見るし、筆者自身も、日常的に完全ワイヤレスイヤホンを着けて生活するようになった。オンライン会議のためにイヤホンなどの再生環境を整えた人も多い。

 音声コンテンツの特徴は、画面を注視する必要がある映像コンテンツと違って、「ながら聞き」が可能なことだ。映像コンテンツの場合、通勤中や食事中、休憩中などでしか視聴できなかったのが、音声なら、まさに寝ている時間以外を全て可処分時間に変えられる。

可処分時間を大きく増加させる音声コンテンツの強み
可処分時間を大きく増加させる音声コンテンツの強み
(出所:Voicy)
[画像のクリックで拡大表示]