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 NTTドコモが新料金プラン「ahamo(アハモ)」を2021年3月から提供すると発表した。月間データ量20ギガバイトで2980円(税別、以下同)としたほか、超過後も毎秒1メガビットで通信可能、1回あたり5分以内の通話料込み、海外ローミングも20ギガバイトの枠内で追加料金不要といった特徴を持つ。

新料金プラン「ahamo」を発表する、NTTドコモの井伊基之社長
新料金プラン「ahamo」を発表する、NTTドコモの井伊基之社長
(出所:NTTドコモの発表会配信動画を日経クロステックがキャプチャー)
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 市場調査会社のMM総研が2020年2月に調査した携帯電話のサービス利用実態によると、月間に使用する携帯電話回線のデータ量が20ギガバイト以内というユーザーは全体の9割超に上る。ドコモのモバイル回線1契約者あたりの平均単価(モバイルARPU)は2019年度実績で4230円、2020年度予想で4250円となっており、多くのドコモユーザーにとってはahamoへ切り替えることで値下げの恩恵を受けられそうだ。

 記者はahamoの発表会で、料金プランの内容以上に気になった点があった。申し込みや契約後の手続き、相談などをWebサイトや専用アプリのみとし、報道発表資料で「ドコモショップ・ドコモインフォメーションセンターなどでの取り扱い・受付は行いません」と明記したことだ。

 ドコモはahamoについて20代などの若者向けとしているが、これだけ魅力的な内容ならば20代にとどまらず、幅広い層のユーザーがプラン変更を希望するはず。「ドコモショップでの受付は行いません」と書いてあっても知らずに、あるいはオンラインの手続き方法が分からずにドコモショップを訪れるユーザーは一定数いるだろう。そして、ショップに来てしまったユーザーに対して店員がむげに門前払いにはできず、結局は手続きを手伝わざるを得なくなってショップのオペレーションが混乱するのでは――。そう感じたのだ。

2300店、3万5000人のチャネルを自ら封じる

 ドコモはこれまで主要な料金プランについては、ショップや電話、オンラインなど、チャネルを問わず申し込みを受け付けてきた(回線の解約はショップのみ)。幅広いチャネルを用意することが幅広い客層のユーザー獲得につながり、ユーザー数ベースで携帯電話事業者最大手の地位を維持する原動力の1つにもなっただろう。ドコモは毎年、ドコモショップのスタッフ同士が接客品質を競い合うコンテストを開催しており、2019年12月の開催データによると全国のドコモショップは約2300店、スタッフ数は約3万5000人に上るという。

 コロナ禍以前は大都市圏のドコモショップで混雑が恒常化し、来店予約の拡大や「初期設定サポート」の一部有償化といった対策を講じるほどであった。そうした状況を知っていただけに、ドコモがahamoではドコモショップというチャネルを自ら封じたのは驚いた。