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 ブリヂストンサイクル(本社埼玉県上尾市)のリコール問題に終わりが見えない。同社は2019年6月24日、「一発二錠」を搭載した自転車343万台のリコールを発表した。現在、無償で部品の交換に応じている。しかし、このリコールは思うように進んでいないようだ。

リコールを呼び掛けるチラシ
リコールを呼び掛けるチラシ
ある自転車店で配布していた。ブリヂストンサイクルは「タイヤ館」など全国に1100カ所あるブリヂストングループの拠点にもポスターやチラシを配布して、リコールの周知を進めるとしている。(写真:日経 xTECH)
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 同社によると2019年12月10日現在、点検と改修が済んだ自転車は7万4000台ある。約5カ月半で全体の2.2%ほどの進捗である。このペースが仮に続くと、全てを改修するのに相当な時間がかかることになる。

 筆者は複数の自転車店で話を聴いてみた。すると、同社から自転車店に対して、交換部品の供給が追い付いていないようだ。ある店の担当者は、「交換の作業自体は1日あれば終わるが、ユーザーは申し込みから最大で半年ほど待たねばならない状況」と明かした。

21件の重傷事故

 一発二錠とは、後輪錠を施錠するだけで、ハンドルの回転を止めるロック機構も同時に作動する機構のことだ。後輪錠とハンドルロック機構が金属ワイヤで連動する仕組み。防犯に役立つ。2003年9月に初めて、同社の自転車に搭載した。筆者は、一発二錠の仕組みやリコールの状況について、以下の過去記事にまとめている。

 リコールの理由は、一発二錠を搭載した自転車で転倒事故が相次いだことだ。原因は同機構の不具合である。一部のユーザーが自転車で走行していたところ、意図せずハンドルが固定され、バランスを崩して転倒した。消費者庁によると2019年10月16日までに、同事象によって21人がけがを負った。いずれも重傷で、じん帯損傷や骨折が含まれる。