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 足かけ6年、100億円近い費用を投じている京都市の基幹システム刷新プロジェクトが「一部中断」となった。2017年1月の稼働予定を2度延期してもなお全面稼働の時期を示せないままの幕引きであり、事実上の失敗だ。京都市民は巨額の税金を投じたにもかかわらず行政サービスの向上を享受できていない。1度目の延期を巡っては委託事業者であるITベンダーのシステムズ(東京・品川)との民事調停も続いている。

京都市役所の外観
京都市役所の外観
(現在は改修中。写真は2017年11月撮影)
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「結果責任は市長である私の責任」

 「本市(基幹システム)オープン化事業につきましてはこのたびの国の方針のもとで、(2025年度末を目標とした自治体)システム標準化への対応のために一旦立ち止まり、改めて見定める必要があると判断いたしました。そのため一部を除き開発を中断することといたします」。2020年9月30日、京都市議会(京都市会)本会議において京都市の門川大作市長は森田守議員の質問に答える形でこう明言した。

 答弁は続く。「今後の進むべき道について、あらゆる可能性を排除せず検討を重ねてまいりました。これまでに(延期の原因となっていた)一括処理(バッチ)システムの不具合がほぼ収束し、一部システムの稼働が見通せるまでには進捗しておりますが、今年度(2020年度)内の全面稼働は見通せない厳しい状況でございます」。

 「このまま開発を継続するのも時間と経費が必要であり、また稼働し完成したとしてもすぐさま自治体システムの標準化に対応するため再度のシステム改変が必要となってまいります。(中略)総合的に勘案し、立ち止まるなら今しかないと決断したものであります」――。

 続く2020年10月16日、門川市長は京都市会・決算特別委員会において津田大三議員の質問にこうも答えた。「結果についての責任は市長である私の責任でございます。専門性の高い業務でありまたコロナ禍など様々な要素がございました。だからこそ情報の共有や進捗管理をしっかりと行い、的確に判断しなければならなかった。猛省しております」。

 今後については「標準化を前提とした事業の再構築、さらにはデジタル化による市民サービスの向上、行政の効率化を強力に推進することによって、私の責任を果たしてまいります」とした。

 2017年から本事案の記事を幾つも書いてきた筆者にとって、一部中断は1つの区切りとなった。だが2025年度末の自治体システム標準化まで京都市のシステム運営は課題が多いと感じている。