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 ダイハツ工業が「ロッキー」(トヨタ自動車「ライズ」)で新たに採用したシリーズハイブリッド車(HEV)技術「e-SMART HYBRID」。日産自動車「ノート」に採用する「e-POWER」と同じ方式でありながら乗った印象が大きく異なる。エンジンの存在感を徹底的に消すノートに対し、ロッキーはエンジン主体と思えるほどに前面に出る。開発思想の違いを読み解く。

ロッキーの外観。(撮影:日経クロステック)
ロッキーの外観。(撮影:日経クロステック)
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 ロッキーのHEVに乗ると、始動スイッチを押した瞬間にエンジンがかかった。アクセルペダルを踏み込むにつれて、エンジン回転数が上がっていく。エンジン車に乗っている気分になる。街乗りでエンジン音をほとんど感じることがない日産ノートとは対照的だ。

 ロッキーとノートでエンジン音がこれほど異なるのは、エンジン動作域の違いによる。ともに排気量1.2L、最高出力60kWの自然吸気ガソリンエンジンを採用する点は同じ。ただしロッキーでは通常運転時のエンジン回転数は約1800~3000rpmの間で大きく変える。これに対してノートは2千数百rpmの回転数をなるべく維持する「定点運転」が基本だ。

ノートの外観。(撮影:日経クロステック)
ノートの外観。(撮影:日経クロステック)
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 ダイハツがロッキーのエンジン動作範囲を広げるのは、コスト削減を重視したためだろう。駆動モーターの出力制御に必要な電力供給はエンジンの出力変動で主に対応し、その分、高価なリチウムイオン電池の容量を約0.73kWhに抑えた。ノートのほぼ半分である。