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 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が課題となる中、ユーザー企業にとってIT人材の確保は欠かせない。しかし多くのユーザー企業でIT人材不足は「量」「質」の両面で深刻になっているようだ。

 情報処理推進機構(IPA)が2020年8月31日に刊行した「IT人材白書2020」によれば、IT人材の量が「大幅に不足している」または「やや不足している」と回答した企業は直近の合計で89.0%。IT人材の質が「大幅に不足している」または「やや不足している」と回答した企業は合計で90.5%である。こうしたIT人材不足が続く中でDXの推進を担う人材を確保するのは容易ではない。

ユーザー企業のIT人材の量に対する過不足感。「大幅に不足している」または「やや不足している」という回答の割合は高止まりしている
ユーザー企業のIT人材の量に対する過不足感。「大幅に不足している」または「やや不足している」という回答の割合は高止まりしている
(出所:情報処理推進機構)
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 しかしDX人材は身近な場所にいる可能性が高い。筆者がこのような思いに至ったのは、スミセイ情報システムと第一生命情報システムがオンラインで開催したハッカソン(Hackathon)を見学させてもらったからだ。

 ハッカソンはソフトウエア開発者が短期集中型で開発に取り組むイベントのことで、今回、スミセイ情報システムのITエンジニア30人と第一生命情報システムのITエンジニア29人の計59人が参加した。集まったエンジニアは主に普段レガシーシステムの保守・運用に携わる。両社のITエンジニアを混成した14チームが開発したプロトタイプを、デモとプレゼンテーションで説明した。

 ハッカソンのテーマは「ニューノーマル」。コロナ禍が変化を促した、リモートワークなどの新しい働き方を助けるプロダクトのプロトタイプ開発を目指した。ただしプロトタイプには米IBMやLINE、米Twilio(トゥイリオ)、CambrianRobotics(カンブリアンロボティクス)が提供するクラウドサービスを1つ以上利用しなければならない。

 プレゼンテーションで各チームが多く言及していたのは、通常業務がある中での2週間という短い開発期間の困難さだった。中にはプレゼンテーションまでに全ての開発が終わらないチームもあった。