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 2022年の幕が開けて6日がたった。まだ松の内ということで、きょうの「記者の眼」コラムは軽く読んでいただくテーマにしたい。

 筆者はここ数年、副編集長という立場で日経クロステックや日経コンピュータに携わっており、正直記者として取材執筆する機会は極端に減っている。今のメインの仕事は、記者や寄稿者の原稿を査読(内容を審査すること)し、Webや雑誌に記事という形で送り出すことだ。事実確認はもちろん、内容の整合性や誤字脱字の有無、体裁など、チェックポイントは多岐にわたる。

(出所:123RF)
(出所:123RF)

 筆者が担当する査読本数は日経クロステックで年間約500本、1営業日当たり2本といったところだ。これに日経コンピュータの特集記事などがそれなりの量で加わる。査読のほか、各種イベントの講演を手配したり、記事のトラブル対応をしたり、オンライン会議に出たりと、「デスク」と称される副編集長だけに机にへばりつく毎日である。

 査読しているときはかなり目が三角になっていると自覚している。最初の読者として楽しんだり驚いたり感心したりしながらも、記事が出る最後の関門として正確さや伝わりやすさ、面白さを最大限に引き出すべく手を入れているからだ(実際には公開前に校正部隊や記者自身もチェックしている)。

 眉間にしわが寄りがちな査読中でも時々笑ってしまうことがある。ちょっと「度を超した」誤変換に出合ったときだ。「まぁまぁ力を抜いて」と日本語入力ソフトから声をかけられているような気すらする。そんな誤変換の一部を紹介したい。

IT記事ならではの誤変換?

 最も長文の誤変換が「フジ通学今日から抜け出せずに要る」である。手元のメモによると2018年10月の誤変換だ。

 同月に富士通が開いた経営方針説明会を報じた記事での誤変換で、本当は「富士通が苦境から抜け出せずにいる」と変換したかった。このとき同社は「海外売上比率50%」という経営目標を撤回し、5000人の配置転換を決めた。

 ただ田中達也前社長は2023年3月期にテクノロジーソリューションの営業利益率を10%にするという経営目標は変えなかった。時田隆仁社長も同目標を引き継いだが、2021年4~9月期連結決算(国際会計基準)におけるテクノロジーソリューションの営業利益率は2.9%にとどまっている。