
記者の眼
目次
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高速モバイルの草分け「CDMA 1X WIN」終了まで4カ月、心に残る18年前の騒ぎ
KDDIが2003年から提供してきた3G(第3世代移動通信システム)方式の無線通信サービス「CDMA 1X WIN」が、2022年3月末に終了する。モバイルブロードバンドの先駆けとして日本の携帯電話市場に激震をもたらした時代を振り返ってみたい。
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「電池討論会」で見た研究最前線 LIB偏重に違和感
「第62回電池討論会」が2021年11月30日~12月2日に開催された。年に1回の「電池分野における世界最大級の学会」(NEDO)で、記者は取材のため会場の横浜パシフィコを訪れた。記者は入社2年目であるため、リアルで開催される電池討論会への参加は初めてである。
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システム共有化が突きつける、地域金融機関が取り組むべき本来のDX
地域金融機関のシステムコスト削減に向け、勘定系システムの運用共同化が始まった。バンキングアプリや営業店システムも共通化が進む。DX(デジタル変革)推進を目的に始まった領域は、もはや共通化してスピード感を持って取り組むものになっている。では本来のDXとして進めるべきものは何だろうか。
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Netflixも通信コスト負担を、世界でインフラただ乗り論再び
過去何度も議論となってきた通信インフラコストの負担に関する問題が、再び世界で沸騰している。韓国では米Netflix(ネットフリックス)を相手に法廷闘争が勃発し、欧州では大手通信事業者のCEO(最高経営責任者)13人が巨大IT企業に対して通信インフラコストの一部負担を求める声明を連名で出した。通信イ…
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DXに抵抗感持つ業務の現場、参画意識を醸成する3つのポイント
DX(デジタルトランスフォーメーション)で業務を変えようとすると、現場の抵抗感が強い――。DXの取り組みが広がるにつれて、こんな悩みを聞く機会が増えてきた。
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日系自動車メーカー、禍を転じて福となせるか
「納車が遅れていることをおわびする。1日も早く顧客にクルマを届けられるように努力する」──。2021年11月にオンライン開催された21年度上期(21年4~9月)の連結決算会見で、日系自動車メーカーの社長や副社長、財務担当役員から、こうしたコメントが相次ぎました。その背景には、車載半導体や東南アジア…
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「ロボット手術」の不安を払拭、支援ロボ・ダビンチを体験して分かったこと
「直感的に動かせる」――。医師に手術支援ロボットの取材をした際、よく聞いたフレーズがこれだ。自分が手術支援ロボットの操作を体験したとき、まさにその通りだと感じた。
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「炭素中立は急すぎる」鉄鋼メーカーの現場から聞こえた本音
「炭素中立は急すぎる」――。こう心境を打ち明けたのは、鉄鋼メーカーで働くプラント技術者である。他業界と比べて二酸化炭素(CO2)の排出が多いとされる鉄鋼業界は、「カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)」による変革に迫られている。
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土俵際の富士通とNEC、地銀勘定系の争いは趨勢が決してしまったのか
地方銀行の勘定系システムを巡り、富士通とNECが土俵際に追い込まれている。両社とも地銀向けに勘定系システムを提供しているが、利用行を徐々に減らしている。にもかかわらず、有効な打開策を打ち出せておらず、浮上の兆しは見えていない。
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JDI開発の透明ディスプレーに見た“置くAR”の可能性
ジャパンディスプレイ(JDI)が売り出した透明ディスプレーが、コミュニケーション分野で新たな用途を生み出している。対面する人の間に、透明ディスプレーを置くことで、コミュケーションを活性化するものだ。現在、顕在化しているのは、会話を音声認識によって文字起こしをし、これを透明ディスプレーに表示するとい…
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ドローン配送のジレンマ、ニーズと採算の間の最適解とは
長野県伊那市とゼンリンなどは2021年11月16日、10km以上もの距離を離れた中山間地域へ、日用品を届けるドローン配送サービスを開始した。ゼンリンが開発してきたドローン向け3D地図を、初めて商用につなげた事例。「どれだけ使っても、配達料は月額1000円」(同市)という。
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頻発する豪雨災害に備えて、住宅用の浸水対策建材の開発を急げ
住宅用の建材・設備には、浸水リスクのある住宅に必要となる製品がほとんど存在しない。毎年のように各地で浸水被害が発生しているにもかかわらず、なぜ製品化が進まないのだろうか。
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親子プログラミング体験は1日で挫折、論理的思考より先に覚えさせたいあのスキル
GIGAスクール構想により、児童や生徒に1人1台の端末が配布された。筆者の息子が通う小学校も遅ればせながらノートパソコンが行き届き、親子でプログラミングを始めることになった。
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軽ストロングHEV化への突破口か ロッキーに見るダイハツの選択
まずは、この数値を見てもらいたい。(1)85kW、280N・m、(2)80kW、253N・m、(3)78kW、170N・m、(4)59kW、141N・m。実はこれは、代表的な小型のストロングHEVに搭載されている駆動モーターの最高出力と最大トルクである。
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「リスキリング」大競争時代へ突入、追い立てられずメリットに目を向けよう
リスキリングという言葉を見かけることが増えてきた。言葉の意味は社員の業務内容が変化することに伴って、新たな業務で必要になる知識や技術を習得するために学習することを指す。大規模なリスキリングに着手する企業が続々と出てきている。
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自分の横顔がグラスに 山形の町工場「ルビンの壺」でBtoCに挑む
「ルビンの壺(つぼ)」とは壺にも人の横顔にも見える多義図形だ。だまし絵の一種として有名なので、目にしたことのある人も多いだろう。これを実際に造った会社がある。従業員8人で金属加工業を営むヒカルマシナリー(山形県山辺町)だ。購入者の横顔に合わせて、オーダーメードで製作する。加工技術の高さを分かりやす…
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熱海土石流で露呈した役所の悪弊
「事が起こらなければ動かない」といわれる役所の悪弊の典型ではないか。静岡県熱海市で2021年7月に発生した土石流災害を巡る静岡県の対応のことである。
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「テレワークはだめだ」、この諦めこそがテレワークをだめにする
テレワークに取り組んでいる中で、コミュニケーションや生産性で課題に直面したとき、「テレワークはだめだ」と諦めて、出社勤務に戻すケースも少なくない。記者は、この「テレワークはだめだ」という諦めがテレワークをだめにすると考えている。
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サンリオ設置の「Kawaii研究所」、“かわいい”から幸福に迫る
人間の感情をセンサーなどで読み取り、そのデータを利用して新たなサービス創出を狙う動きが増えている。例えばOKI(沖電気工業)は2021年8月に日本サブウェイと協力し、表情・視線に応じて食料品を提案する実証実験を行った。
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老舗ベンダーに「製品の話をしないユーザー会」を立ち上げさせた苦い経験
NTTデータ イントラマートが設立21年目にしてユーザー会を立ち上げた。Webアプリケーション開発基盤の老舗がこのタイミングでユーザー会を立ち上げた背景には過去の苦い経験があったという。参加者の意見を聞きながら狙いを読み解く。