
記者の眼
目次
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改めて思う、ステアリングホイールはよくできたデバイスだ
現在、さまざまな自動車メーカーや自動車部品メーカーが開発に取り組んでいるのが、ステアリングホイールに代わる新しい操舵(そうだ)デバイスの模索である。自動運転がレベル4、5へと高度化すると、運行設計領域(ODD)の範囲内であれば基本的に運転者は不要になる。すなわち、ODDを満たしている走行環境では、…
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「建材サンプル問題」に商機、米国発サービスで設計者は楽になるか
先日、自宅をリフォームした。未曽有の資材高騰のさなかで、タイミングは決して良くないのだが、価格が落ち着くのをいつまでも待っているわけにもいかない。幸い、地元の建設会社に勤務している妻が自ら工事を手配し、コストを抑えてリフォームを終えることができた。
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セコム・飯田亮氏が遺した名言、「自分の人生に興味を持とう」
ベンチャー企業の草分け的存在であるセコムの創業者で社長・会長を務めた飯田亮氏が2023年1月7日、その生涯を終えた。飯田氏の発言は今でも色あせることはなく、DXなど変革に挑む読者の多くに役立つ。こう確信している。
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実証相次ぐ顔パス決済、ベンダーは心理的ハードルを下げることに注力せよ
顔認証決済の実証実験が相次いでいる。NECやパナソニック、セーフィーなどのベンダーが提供するサービスを活用するだけでなく、ユーザーが自らAIモデルを開発して利用しているケースも多い。現在広く普及しているキャッシュレス決済の次のステップになるだろう「顔パス決済」の実現もそう遠くはない印象を抱いた。
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突然変異のオリンパス、営業利益率20%の裏に激痛伴う大手術
わずか4年で営業利益率を3.6%から20%超へと飛躍的に高めようとしている日本企業がある。オリンパスだ。
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世界で紛争・緊張が続く2023年、ITに台湾有事と「超限戦」への備えはあるか
ロシアによるウクライナ侵攻は、ロシアからの撤退やサプライチェーン見直しを迫られるなど、企業活動を揺さぶった。2023年以降に日本企業が直面するリスクとして、焦点が当たっているのが東アジアでの有事だ。
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CESで韓国勢がバツグンの存在感、沈む日本と消える中国
「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)のメイン会場となったラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)。その広大なホールの中でひと際存在感を放ち、黒山の人だかりとなっていた一角がある。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)や韓国LG Electron…
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AWSが「世界一」に日本のベンダーを選出、日本のSI業界変化の光明になるか
米Amazon Web Services(AWS)が2022年11月28日(米国時間、以下同)から12月2日にかけて開催した「AWS re:Invent 2022」で、AWSの世界一のSIerとして日本のクラウドベンダー、クラスメソッドが選出された。同社のビジネス戦略を通じて、日本のIT業界の慣習…
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自動車担当記者の記憶に残った2022年の本音5選
せっかくの新年である。自動車業界を担当する筆者が2022年に出合った印象的な言葉を5つ選ぶことにした。経営者の本音や技術者の生の声から1年間を振り返りつつ、2023年のヒントを探ってみた。
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「脱オラクル」か「続オラクル」か、ミッションクリティカルの分かれ道
2022年の暮れ、日本オラクルから届いたニュースリリースを見て驚いた。「ベネッセの大規模基幹システムにOracle Cloud Infrastructureが採用」とある。かつて取材したベネッセコーポレーションの「脱オラクル」事例を思い起こした。
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脱炭素社会はコンクリートの中性化を「歓迎」すべきか、新構法に期待
コンクリートに二酸化炭素(CO2)を固定する技術開発が盛んだ。この際、課題になるのが、コンクリートの中性化である。中性化は鉄筋コンクリート造の建物の耐久性を脅かす現象として、昔から問題視されてきた。しかし脱炭素社会では、コンクリートの中性化を「CO2を貯蔵する新技術」と捉え直す、価値観の転換が求め…
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コロナ禍で気付かなかった、macOSから消えた便利なあの機能
古くからのMacBookユーザーなら「ネットワーク環境」という便利な機能を常用していた方は多いのではないだろうか。ところが2022年10月にリリースされた最新の「macOS Ventura」では、この機能が削除されてしまった。
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「松」しか造れない過剰品質の風土と見積もり作法の関係
中里氏も以前から、金型メーカーの多くが「不明点を問い合わせるか、“松”と仮定して見積もる」傾向について認識していたという。その原因は「最初の出した見積もりから価格が増える方向の変更は、日本の発注者は絶対に認めてくれないため」(中里氏)。
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ラピダスを設計視点で考察、TSMCに量産で勝てぬも日本半導体復権に寄与
日本政府の半導体復権への肩入れは半端ない。例えば、半導体装置・材料の展示会「SEMICON Japan 2022」に内閣総理大臣の岸田文雄氏が登壇して聴衆を驚かせた。日本の半導体復権に大きな役割を担うと期待されているのが、新会社Rapidus(ラピダス、東京・千代田)である。同社関連の報道は多いが…
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2022年の一大事、ウクライナ侵攻がサイバーセキュリティーにもたらした変化
2022年も残すところ4日。身の回りのお金の使い方に資源高や円安の影響をひしひしと感じる1年だったが、その大きな引き金となったのが2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻にある。
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パワー半導体産業の強化を急げ、このままではロジックの二の舞い
最近、日本で半導体が注目されている。ただし、Rapidus(ラピダス、東京・千代田)を中心とした先端ロジック半導体の話題だ。日本がまだ強いとされるパワー半導体は蚊帳の外の印象だ。「政治家は、ロジック半導体とパワー半導体の区別がついていないのでは」という嘆きが日本のパワー半導体技術者から次々と聞こえ…
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万博の入札不落・不調は「2024年問題」の予兆か、炎上リスク回避か
大阪・関西万博のパビリオンや施設の工事入札が不落・不調になっている原因は何か。記者が建設業界関係者にヒアリングすると、2025年日本国際博覧会協会が挙げた理由とは別な見方も出てきた。「2024年問題」と炎上リスクの回避である。
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普及期を迎えた400Gビットイーサ規格、様々な仕様の背景にハイパースケーラーの影
大量のトラフィックが集中するデータセンターやISPのバックボーンネットワークなどにおいて400ギガビットイーサネット(GbE)が普及期を迎えている。様々な規格が策定されている背景には、超大型データセンターを運営するハイパースケーラーの強い需要がある。
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ソニーが目指す次世代エンタメ、狙うは“においのスピーカー”
スピーカーが発する音のように、においを空間と時間で制御するーー。こんな技術を、ソニーが2022年12月初旬に開催した、社内向けの技術交換会「STEF(Sony Technology Exchange Fair)」で披露した。
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「学ばない日本人」にリスキリングを浸透させるには
IT企業をはじめさまざまな企業が急ピッチで育成に取り組んでいる。学びの手厚い施策に「企業は本気だ。社員は学べるしいいことずくめだ」と心強く思っていたところ、異なる視点を認識するに至った。