
記者の眼
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東京都の太陽光発電義務化、住宅購入者を「その気」にさせる助成金の情報提供を
東京都は、2025年度から住宅を含む新築の中小規模の建物に、原則として太陽光発電(PV)設備の設置を義務づける。設置義務を負うのは、都内で年間延べ面積2万m2以上の新築建物を供給する事業者だ。設置費用は住宅購入者の負担。設置義務を負う大手ハウスメーカーが、購入者を説得してPV設備を設置することにな…
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従業員67人ながらトヨタのTier1、浜松の町工場に学ぶデータ活用の極意
従業員67人ながら、トヨタ自動車の1次サプライヤー(Tier1)に上り詰めた自動車部品メーカーがある。浜松市の国本工業だ。同社の特長は加工技術のみにとどまらない。1980年ごろからデータ活用の重要性を見いだし、システム開発力まで身につけた同社の姿勢からは学ぶべき点が多い。
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「ユーロ7」のブレーキ・タイヤ粉じん、対応すべきはサプライヤーだけ?
欧州委員会(EC)が2022年11月に提案した自動車の新たな環境規制「Euro 7(ユーロ7)」。現行規制「Euro 6d(ユーロ6d)」まではテールパイプ(排気管)から出る物質を対象としてきたが、今回から新たにタイヤやブレーキから出る粉じんも規制する方針が示された。
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山本五十六は化学に弱かったのか、「水からガソリン」事件を再解釈
水と二酸化炭素から液体合成燃料(e-fuel)を一貫製造するプロセス技術。産業技術総合研究所(AIST)が研究開発を進めているという話を聞いて思い出したのが、旧日本海軍の「水からガソリン」詐欺事件のことだった。
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都が少子化に「東京こどもすくすく住宅認定制度」、1戸に最大200万円助成
日本の少子化は、首都・東京から歯止めをかける──。東京都は2023年度の予算案で、子ども関連予算に約1兆6000億円を計上した。22年度比で約2000億円の増額だ。政府が「次元の異なる少子化対策」の策定に向けて動き出すなか、都は「チルドレンファースト社会」の実現に向けて先頭を走る構えだ。施策のなか…
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ChatGPTがMicrosoftに再びの勝機?クラウドAIでAWSの牙城を崩せるか
対話型AIのChatGPTの勢いが止まらない。専門媒体にとどまらず、テレビの情報番組などでも取り上げられるほどだ。アクティブユーザー数は2023年1月末時点で1億2300万人に達したという。米Google(グーグル)が牛耳る検索を変革するとされるが、影響はそれだけにとどまらない。
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車載半導体不足の緩和を記者も体感、「24年は反動で余剰に」とガートナー
昨年(2022年)の9月に新車の購入契約をした。現在使っているクルマは順調なものの、購入後16年を過ぎて税金が上がっていることや、75歳に来る運転免許更新の壁までの残余年数を考えると、頃合いだと考えた。納車予定は今年(2023年)の5月と販売店(ディーラー)から言われた。そのディーラーから連絡が来…
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DXの心得に背景あり、記者が思わず膝を打った2つの秘話
2023年2~3月に公開した特集「DX成功に効く75の心得」で、DXで成果を出している先進企業7社に取材した。取材では様々な心得を聞くことができ、印象に残るエピソードも多かった。その中でも、特に印象的だった秘話を2つ紹介したい。
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自衛隊と民間土木技術のマッチングを進めよ、南西諸島防衛「最後の砦」
九州南方から台湾の北東にかけて広がる南西諸島は、中国による台湾有事で攻撃目標となる可能性が高く、防衛体制の強化が急務だ。地質条件が特殊なので、「防御陣地」の構築に当たっては、民間企業が持つ土木技術の活用が欠かせない。
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地銀システム共同化の伏兵、IBM「じゅうだん会」とNTTデータ「STELLA CUBE」
地方銀行の勘定系システム共同化が転機を迎えている。きっかけは広島銀行が日本IBMからNTTデータ陣営に乗り換えることを決めたことだ。今後、地銀システム共同化の勢力図はどう変化していくのか。伏兵になりそうなのが、日本IBMの「じゅうだん会」とNTTデータの「STELLA CUBE」だ。
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地震直後のトルコを旅する
2023年2月、私は休暇を取得し、同行する友人とトルコを旅していた。同月6日のトルコ・シリア地震が発生してから約2週間後のこと。何人かから、「こんな時期に旅行するの?」と心配もされた。ただ、数カ月前から準備していたことと、報道の”外側”にあるトルコの今を知りたいという気持ちが私の背中を押した。
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まるで「店内」Googleマップ、売り場検索アプリを試してその進化におののいた
アプリ上で小売店内の商品の陳列場所を探せる「売り場検索」機能をご存じだろうか。店舗を指定し、欲しい商品を検索すると、店内マップ上に商品の陳列場所が表示される仕組みだ。忙しい店員さんを捕まえて「○○の売り場はどこですか?」と聞く必要がなく、記者自身も非常に重宝しているリテールテックの1つだ。
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日本の電力の脱炭素は2035年にも9割実現、日米研究機関が試算
日米の研究機関や大学から成る研究チームは2023年2月28日、2019年に24%だったクリーンエネルギーの年間発電量における割合を2035年には同90%に高められること、そして化石燃料の輸入は金額ベースで85%削減でき、同時に発電の平均卸電力コストは現行の6%減にできることが分かったとする報告書を…
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正念場を迎える万博建築工事、入札不成立の連発を止めるために何を諦めるか
開幕まで残り約2年となった大阪・関西万博の会場整備が、正念場を迎えている。2025年日本国際博覧会協会が発注する建築工事の入札で、不落・不調が相次いでいるのだ。このまま入札不成立が続けば、工期を圧迫する恐れがある。
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令和も続くIT現場の所属企業隠し、「名刺を切らしておりまして…」は法に触れるか
BIPROGYが尼崎市で起こしたUSBメモリー紛失事件では、協力会社社員が尼崎市に対し「名刺を切らしておりまして」などと告げてBIPROGY社員であるかのように振る舞っていた。IT現場に多く見られる「所属企業隠し」問題について法的に問題はないのか、弁護士に見解を問うた。
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自動車担当の記者が選ぶ2022年印象に残った3台
自動車業界の記事を担当する筆者は、取材の際、新型車に試乗する機会が多い。そこで今回は2022年に試乗した車の中で最も印象に残った車3選を紹介する。
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50万人が毎年受ける試験で採用、“謎”のプログラミング言語「DNCL」を学ぶ意義とは
DNCLなんて聞いたことがないというITエンジニアもいるだろう。DNCLを採用した試験とは何か、なぜ、どんな問題に採用されたのか。謎のDNCLに迫った。
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H3打ち上げ「中止」、「失敗」の表現を恐れるな
新型ロケット「H3」初号機の打ち上げが中止となった2023年2月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開いた記者会見で、一悶着(ひともんちゃく)あった。打ち上がる直前に異常を検知したロケットが安全に停止したにもかかわらず、一部の記者から「失敗」であると強く断定する発言がなされからだ。
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昆虫嫌いの記者がコオロギ実食、ビル・ゲイツも注目する「昆虫食」に見た可能性
食糧危機の解決策の1つとして、昆虫食が注目を集めている。今回、ある機会で昆虫嫌いの筆者が昆虫食を初めて食べる機会を得た。果たして昆虫食はどのような味がするのかや、日本における昆虫食の歴史などを解説する。
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「おしゃれなグラフを描きたい」、不純な動機で挑戦してみて学んだこと
ある海外のニュースサイトで見かけたおしゃれなグラフ。「自分もこんなグラフを描いてみたい」と不純な動機で挑戦してみた記者だったが、グラフの名前が分からないという壁にぶち当たった。壁を乗り越えていく過程である考えに至った。