全1381文字

 健康・医療・介護の領域をテクノロジーで変革する「デジタルヘルス」が、いよいよ社会実装のフェーズに入った。国産初の手術支援ロボットが登場し、治療用アプリが日本で承認を受け、医師を支援するAI(人工知能)の活用が進む。これまでベンチャー企業などが開発してきた各種技術が、健康・医療・介護の現場にじわりと浸透しつつある。

 健康・医療・介護の現場に最新技術の導入が進み始めたことで、ベンチャー企業や医療機器メーカーなどの既存のプレーヤーだけでなく、携帯大手やIT企業など異分野のプレーヤーの動きが活発になってきた。ビジネスチャンスと捉えた各社は、それぞれが得意とする技術やサービスを生かし、健康・医療・介護の領域への進出を図っている。デジタルヘルスの社会実装が進む過程で、様々な企業に参入のチャンスが生まれそうだ。

ドコモスマホ教室でオンライン診療アプリの使い方などを説明する
ドコモスマホ教室でオンライン診療アプリの使い方などを説明する
(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば携帯大手(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)はベンチャー企業と組んで、スマートフォンを活用するオンライン診療を自社サービスに取り入れ始めた。各社は店舗でオンライン診療の利用案内をするなど力を入れており、このうちNTTドコモは全国のドコモショップのうち642店舗で実施している。ドコモスマホ教室でオンライン診療アプリの使い方などを説明。参加者はオンライン診療のアプリをダウンロードしたスマホを使いながら、オンライン診療を実施している病院を調べるなど実際の操作を体験できる。

 ケーブルテレビのJCOMもベンチャー企業と連携して、家庭のテレビを使うオンライン診療を開始した。テレビ画面上で医療機関の診察予約から問診、Webカメラを通じた診察などが受けられる。パソコンやスマホの操作に不慣れな高齢者の取り込みを狙う。JCOMの強みはテレビを活用することだけではない。地域拠点のスタッフの手厚いサポート体制を利用できることにある。機器の設置から初期設定、操作方法など、訪問または電話で継続的に利用をサポートする。