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日経コンピュータ編集長の大和田尚孝
日経コンピュータ編集長の大和田尚孝

 ソフトバンクグループがヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」の法人向けモデルを販売してから2018年10月で初回契約期間の3年が過ぎた。3歳になったこのタイミングで、ペッパー君は更改率低迷という試練に直面している。生みの親である孫正義会長兼社長は現状をどう見ているのか。本人にぶつけてみた。

 「パソコンが生まれてすぐに今のような機能を果たせたかというと、そうではなかった。同じようにヒト型ロボもまだ出たばかり。改善すべき機能もたくさんある」。孫氏は2018年11月の決算説明会でこう述べた。ペッパーの解約が相次いでいる現状をどう見るかという筆者の質問に答えた形だ。

 ソフトバンクグループは今から3年前の2015年6月にペッパーの一般向けモデルを発売した。人の話した声を聞いて応答できる「対話」の機能が受け、当初は発売とほぼ同時に売り切れる人気ぶりだった。ソフトバンクグループは用途拡大を狙って企業向けの法人モデルを開発し、2015年10月に申し込みを受け付け始めた。

導入ラッシュ、客寄せ効果を狙う

 みずほ銀行、イオン、ネスレ日本――。導入企業は2000社を超え、アプリ開発のパートナー企業も増えていった。みずほ銀行の支店では「いらっしゃいませ、受付カードの番号をボクに教えてください」と客に話しかけ、行員の業務を補った。

 ペッパーの法人向けモデルは貸出料金が月5万5000円。アルバイトの人件費の半額以下だ。人の仕事をすべて代替できるわけではないが、決まった仕事ならこなせることもあり、人手不足に悩む企業に浸透していった。店頭でお薦め商品を紹介するなど新規客の呼び込み効果もあった。

 それから3年。法人向けモデルが3年契約の初回更改を迎えるこの10月に先駆け、日経 xTECHはペッパーを導入する44社に契約更改の意向についてアンケート調査し、27社から回答を得た。

 結果は「更改予定」と答えた企業がわずか15%と、厳しい内容だった。更改低迷という実態について孫氏に聞いたところ、返ってきたのが冒頭の発言である。孫氏はペッパーの機能が現時点では十分ではないとの認識を示した。