日経BPのIT系専門誌の編集長が、IT業界の動向や最新技術について、専門分野の視点で解説します。
2022年、日本の組織は平均して1週間で約970件のサイバー攻撃を受けた――。米チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(Check Point Software Technologies)が2023年1月に公表した数値だ。
P2Pファイル共有ソフト「Winny」の開発者として知られる金子勇氏に、筆者は2009年末、日本経済新聞記者として1度だけお会いしたことがある。金子氏が新たに取得したという特許について、技術の概要を取材するためだ。大阪高等裁判所で2009年10月に逆転無罪の判決が出て間もない頃だった。
望ましいのは「アルゴリズムによる自動化」か「人間の介入」か――。Web検索の表示順からSNS(交流サイト)のタイムラインまで、ITサービスにおいて「自動化」と「人間の介入」のバランスは常に論争の種になってきた。
1990年当時から非中心の考えはエンジニアを強く引き付け、インターネットの運営やWebの仕様に反映されていた。こうした経緯を振り返りつつ、なぜ非中心の考えが人々を引き付けるのか、Web 3.0は本当に一般社会へ普及するのか、改めて考えてみたい。
安倍晋三元首相が2022年7月8日に死去した。謹んでご冥福をお祈りする。日経クロステックの過去の記事をもとに、安倍政権下で実施されたIT政策を振り返りたい。
「僕は入社して18年目なんですが、ずっと冬の時代を過ごしてきた。やっと長い冬眠が終わり、今が春なんです」。先日、消費者金融大手アコムが設立した新会社GeNiEの齊藤雄一郎社長にインタビューしたとき、彼がこんなことを口にした。
エストニア、韓国、そしてウクライナ。好戦的な隣国を抱える各国が、電子政府システムなど国の運営を支えるITインフラの危機管理をどう捉えているか、筆者の過去の取材と最新の動向を踏まえつつ、改めて考えてみたい。
SWIFTが運営する国際決済ネットワーク「SWIFTNet」は、金融機関間の送受金を指示するメッセージを伝送するための道具にすぎない。しかし、ロシアという世界11位のGDP(国内総生産)を持つ国の経済活動をまひさせ得るほどの影響力を持つ。
「課題が山積する地方にこそ、新規事業を生み出すチャンスがある」――。先日参加したパネルディスカッション「デジタルヘルスケアビジネス成功のカギとは」で、このような議論が繰り広げられた。
2022年は、2021年に広がったDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みがさらに加速する1年になりそうだ。ここでは、2022年に実際にDXを進めていくうえで筆者が注目すべきと考える3つのキーワードを紹介したい。選んだのは「デジタル原則」「内製力の強化」「リスキリング」の3つである。
PayPayが中小店舗向け手数料の有料化に踏み切ったことは、小康状態を保っていたキャッシュレス事業者間の競争に火をつけた。特に、ポイント還元競争などから一定の距離を置いてきた楽天の参戦は耳目を集めた。
緊急事態宣言が解除されて間もない2021年10月初旬、以前から申請していた子どものマイナンバーカードを受け取った。健康保険証の代わりにもなり、単体で通用する身分証が手に入るのは、親としてありがたい。
健康・医療・介護の領域をテクノロジーで変革する「デジタルヘルス」が、いよいよ社会実装のフェーズに入った。社会実装が進む過程で、様々な企業に参入のチャンスが生まれそうだ。既存のプレーヤーだけでなく、異分野の携帯大手やIT企業などの動きが活発になってきた。
自治体システムの機能だけでなく、住民の氏名や住所を示す文字コードも標準化する――。講演を聴いた筆者は「政府は本気だ」とうなってしまった。2021年6月15日、全国地域情報化推進協会(APPLIC)主催のオンラインイベントで、総務省地域情報化アドバイザーの前田みゆき氏が明らかにした。
ヤマダHDやNTTドコモに限らず、銀行分野、あるいは金融分野への進出に意欲的な非金融事業者が一気に増えてきた。これは偶然ではない。BaaS(Banking as a Service)が、非金融事業者たちの背中を押したわけだ。
腕時計「G-SHOCK」などを手掛けるカシオ計算機が、医療関連事業の拡大に動いている。日本で販売する医療用デジタルカメラ(デジカメ)などを海外にも展開し、年間数億円規模の医療関連事業の売り上げを、数年後に十億円超に引き上げる計画だ。
政府は2021月2月9日、デジタル庁設置を含むデジタル改革関連6法案を閣議決定し、国会に提出した。このうちの1つが、全国の自治体の情報システムを標準化・共通化する方針を示した「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案」である。
ATMとは何の略称かご存じだろうか。“A”が「オートマチック」、“M”が「マシン」であることは想像がつくだろう。ただ、“T”が指す意味を知っている方は意外と少ないかもしれない。
現在主流の腕時計型やリストバンド型に加えて、将来、コンタクトレンズ型のウエアラブル端末が登場しそうだ。コンタクトレンズ型のウエアラブル端末「スマートコンタクトレンズ」の登場を期待させる発表が2020年12月にあった。
2020年、新型コロナ禍の困難な状況を乗り越えるために大きな役割を果たしたのがデジタル技術の活用である。企業や組織のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みは進んだといえるのか、2021年はどうなるのか、考えてみたい。