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CES 2021でGMがサプライズ

 その結果、eVTOL機の開発は、群雄割拠から新興集約へとステージが変わった。中心となったのは、新型コロナ禍前に多額の資金調達に成功した新興企業で、実用化に向けて粛々と開発を進めた。大手自動車メーカーも、新たな移動サービスの1つとして、また自動車で培った電動化技術や製造技術をeVTOL機に生かせる新市場として、継続して研究開発を続けた。いずれコロナ禍が収まれば、移動需要がある程度回復する。長期的に見れば、都市部の人口は増え続け、渋滞も再び顕在化する。そんな思惑から、淘汰後に残った企業は、eVTOL機や同機を利用した移動サービスの開発の手綱を緩めなかった。

 こうした20年の活動の成果が、21年に入って次々と出てきた。例えば、世界最大級のデジタル見本市「CES 2021」の基調講演において、eVTOL機と離着陸場のコンセプトを発表したのが米General Motors(GM、ゼネラル・モーターズ)である。前回20年のCESでは、韓国・現代自動車や大手ヘリコプターメーカーの米Bell Textron(ベル・テキストロン)がeVTOL機を発表したが、21年はオンライン開催のためか、両社とも今回のCESへの出展を見送り。航空業界の不振もあいまって、eVTOL機は話題にならないと予想されていた。ところが、GMがコンセプト機を発表し、米メディアの多くが「サプライズ」と報じた。

GMが見せたeVTOL機のコンセプト
GMが見せたeVTOL機のコンセプト
(出所:CES 2021の基調講演映像)
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 GMの発表と同日、欧米Fiat Chrysler Automobiles(FCA、現・欧州Stellantis)はeVTOL機の米新興企業Archer(アーチャー)との協業を発表した。Stellantis(ステランティス)は自ら機体を手掛けるのではなく、機体に必要な部品のサプライチェーンや機体のエンジニアリング、設計などで新興企業を支援する。Archerは23年ごろに機体の製造を開始し、24年に型式証明を取得することを目標に掲げた。

Archerの機体イメージ
Archerの機体イメージ
(出所:Archer)
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