ソニー子会社でゲーム事業を手掛ける米Sony Interactive Entertainment(SIE、ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は、新しいVR(Virtual Reality)システムを開発中だと公式ブログで明らかにした。2020年11月に発売したSIEの据え置き型ゲーム機「PlayStation 5(PS5)」に向けたもので、22年以降に発売する見込みである。現行のVR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「PlayStation VR(PS VR)」はPS5で利用できるが、PS4向けとして2016年10月に発売した。それから4年以上が経過して累計実売台数は500万台を超えているものの、最近は売れ行きが鈍化している。代わりに米Facebook(フェイスブック)が台頭。20年10月に発売したVR用HMD「Oculus Quest 2」が猛烈な勢いで売れている。今回の「次世代PS VR」発表は、こうした競合をけん制する狙いもありそうだ。
今回の発表では、新しいVRシステムの特徴の一端を明かした。例えば、新しいVRコントローラーを準備中である。PS5のコントローラー「DualSense ワイヤレスコントローラー」と同じ特徴を備えるという。これは、高い没入感の実現に向けて導入した「アダプティブトリガー」と「ハプティックフィードバック」を指すとみられる。
アダプティブトリガーは、ゲーム内のインタラクションにおける力加減や緊張感といった感覚を提示する。ハプティックフィードバックは、多彩な振動によって、ゲーム内のアクションにおける物理的な反応を表現する。いずれもVRと相性がいい機能だ。
今回明かした限られた情報の中で、あえてコントローラーについて言及したのは、ゲーム機における重要な差異化点であるからだとみられる。現行ゲーム機のハードウエアは、パソコンやタブレット端末を基にしている。「ゲーム専用機」として特徴付けるにはパソコンやタブレット端末とは異なる味付けが必要になる。その1つの手段が、前述のDualSenseのようなコントローラーである。