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 ウェイモに続くのが、米ゼネラル・モーターズ(GM)子会社のGMクルーズ(GM Cruise)。GMクルーズにはソフトバンク・ビジョン・ファンドやホンダも出資している。GMクルーズの離脱当たり走行距離は5204マイルで、ウェイモの2017年時点の水準に相当する。

離脱当たり走行距離の推移(数値の単位はマイル)
会社名2018年2017年
Waymo1万1017.55596
GM Cruise5204.91254
Zoox1922.8160
Nissan210.5207
Baidu USA205.646
Drive.ai83.966
NVIDIA20.15
Telenav6.032
BMW4.63
Mercedes Benz1.51

 2017年におけるGMクルーズの離脱当たり走行距離は1254マイルで、ウェイモの2015年時点の水準(1562マイル)に及ばなかった。つまり、GMクルーズは2017年時点でウェイモに2年分の差を付けられていたが、2018年はその差を1年分にまで縮めたことになる。GMクルーズがウェイモを急速に追い上げていることが分かる。

頼るべき相手に悩む自動車メーカー

 ウェイモとGMクルーズ以外で離脱当たり走行距離が1000マイルを超えたのは3社で、いずれもサンフランシスコ・シリコンバレー地域に拠点を置くスタートアップだ。米ズークス(Zoox)の離脱当たり走行距離は1922マイルで、2015年時点のウェイモの水準を上回る。

 離脱当たり走行距離が1028マイルだった米ニューロ(Nuro)には、2019年2月にソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資した。同1022マイルだった米ポニーAI(Pony.AI)は、シリコンバレーと中国の両方に拠点を構える。

 現時点で離脱当たり走行距離が1000マイルを超えていない企業は、厳しい状況に立たされている。

 日産自動車の2018年の離脱当たり走行距離は210マイルで、2017年の207マイルからほとんど伸びていない。日本経済新聞は2019年2月6日、日産自動車と仏ルノー(Renault)がウェイモと連携する方針を固めたと報じた。その背景には日産の自動運転技術の伸び悩みがあるのかもしれない。

 米エヌビディア(NVIDIA)も振るわない。2018年の離脱当たり走行距離は20マイルで、2017年の5マイルに比べれば伸びているものの、ウェイモなどには遠く及ばない。

 エヌビディアは自動車メーカーに対して、自動運転車用のSoC(System on a chip)「Xavier」に加えて、自動運転AIソフトウエアも提供しようとしている。技術力の無い自動車メーカーにとっては、エヌビディアからSoCとAIソフトを調達するだけで自動運転車が実現できるシナリオが理想だが、それにはほど遠い状況にあると言えそうだ。

アップルとウーバーは厳しい状況

 2018年から初めてリポートを公開したアップルも厳しい。7万9345マイルをテスト走行して、離脱が6万9510回も発生している。離脱当たり走行距離は1.1マイルにすぎない。あまりに離脱回数が多いため、アップルが提出したリポートは2000ページを超えた。ちなみにアップルの15倍以上も多くのテスト走行をこなしたウェイモのリポートは21ページである。

 アップルをさらに下回ったのがウーバーだ。離脱当たり走行距離は0.3マイルだった。同社のリポートから分かるのは、テストドライバーが一時たりとも目を離せない状況に置かれていたことだ。0.3マイル、つまり500メートル走るごとに、テストドライバーがAIから運転を引き継がなければならない状況が発生していた計算となるからだ。

 それにもかかわらず、2018年3月にウーバーの自動運転車がアリゾナ州で歩行者をはねた際、テストドライバーはスマートフォンで動画を視聴していた。テストドライバーに過失があったのは間違いない。しかし、他社に比べて圧倒的に技術水準の低い自動運転車で公道テストを強行していた同社にも大きな問題があったと言えそうだ。