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 2020年3月中旬、米マイクロソフト(Microsoft)とソニーグループでゲーム事業を手掛ける米ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)はそれぞれ、2020年の年末商戦に発売予定の次世代ゲーム機の本体仕様を明らかにした。本来は、同年3月16~20日に米サンフランシスコで開催予定だった世界最大級のゲーム開発者会議「Game Developers Conference(GDC) 2020」で発表予定だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でGDCの開催が中止になったことから、オンラインでの発表に切り替えた。

「Xbox Series X」の本体とコントローラー
「Xbox Series X」の本体とコントローラー
(出典:マイクロソフト)
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 今回、マイクロソフトは「Xbox Series X」、SIEは「PlayStation(PS)5」を発表した。発売まではまだ期間があり、両社とも「隠し玉」を準備しているためか、目新しい機能はなかった。本体仕様も似ており、大差がない。ハードウエアの公称値を見る限り、一言で表現すれば、ハイエンドの「ゲーミングパソコン」である。

Xbox Series XとPS5の本体の主な仕様
Xbox Series XとPS5の本体の主な仕様
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 メインプロセッサー(SoC)は、両機とも米AMDの半導体製品を搭載する。同プロセッサー内のCPUには、同社の「Zen2」アーキテクチャーを採用した8コア品を採用。ここまでは同じで、動作周波数がやや異なる。Xbox Series Xは、複数スレッドを同時に実行する「SMT(simultaneous multithreading)」時で最大3.66GHz、PS5は同3.5GHzとする。

Xbox Series Xのメインプロセッサー
Xbox Series Xのメインプロセッサー
(出典:マイクロソフト)
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 メインプロセッサー内のGPUには、両機とも「RDNA(Radeon DNA) 2」アーキテクチャーをベースにしたものを採用。「レイトレーシング」と呼ばれる新しい描画機能に対応し、実写のようなきれいなCGを表示できる。

 ただし、細かな仕様は異なる。GPU内の演算ユニット「Compute Unit(CU)」の数は、Xbox Series Xが52個で、PS5が36個である。CUが少ない分、最大動作周波数はPS5の方が高く2.23GHz。Xbox Series Xは同1.825GHzである。GPUの演算処理性能はXbox Series Xが12TFLOPSでPS5が同10.3TFLOPSよりやや上回る。

 両機は4K映像だけでなく、8K映像にも対応。ゲームソフトを格納する媒体として、4Kに対応する光ディスク「Ultra HD Blu-ray」を採用した。このディスクの記録容量は100Gバイトである。

 システムメモリーやストレージには、やや違いがある。同メモリーに関しては、両機ともGDDR6対応の16Gバイト品を搭載するものの、帯域幅が異なる。PS5は16Gバイト分、448Gバイト/秒なのに対して、Xbox Series Xは10Gバイト分を560Gバイト/秒、6Gバイト分を360Gバイト/秒としている。

 内蔵ストレージは、HDDよりも高速なSSDを採用した。中でも、SIEは「ゲーム開発者からの要望が強かった」として高速性にこだわり、カスタムインターフェースを開発した(関連記事)。データ読み出し時の速度は、非圧縮で5.5Gバイト/秒。圧縮技術を採用しており、実際は8G~9Gバイト/秒になるとする。圧縮が特段うまくいった場合に、22Gバイト/秒に達するという。一方、Xbox Series XのSSDは、非圧縮時で2.4 Gバイト/秒、圧縮時で4.8 Gバイト/秒だとする。ストレージの容量はXbox Series Xの方がやや大きく1Tバイト。PS5は825Gバイトである。

PS5に搭載するSSDの概要
PS5に搭載するSSDの概要
画像は公式動画を日経クロステックがキャプチャーしたもの
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 両機とも、追加ストレージに対応する。例えばPS5では、PS4で利用されていた外付けのHDDやSDDに対応するほか、着脱(挿抜)可能な「M.2」仕様のSSD製品にも対応する予定だ。ただし、PS5のスロットに挿抜可能で、かつ内蔵SSD並みの速度を備えることが必要なので、現在サンプルで検証中だという。その結果を踏まえて、対応する具体的なM.2製品を後日発表する予定だ。

 Xbox Series Xも同様で、USB 3.2を通じて外付けのHDDに対応するほか、挿抜可能なカード型の1Tバイトの拡張SSDに対応する。

 次世代ゲーム機が登場した際に重要になるのが、現行機のゲームをプレーできる「下位互換性」の確保であるが、両機とも対応する。このため、仮に発売当初、対応ゲームのタイトルが少なくても、現行機用のゲームをユーザーはプレーできる。マイクロソフトやSIE、そしてゲーム開発企業にとっても、比較的にスムーズに次世代機への切り替えを進めやすい。