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 2020年4月24日、米アップル(Apple)はスマートフォン「iPhone SE」(以下、SE)の第2世代品を発売した。既報のように、コストパフォーマンスに優れることから、初代SEやiPhone 6/7/8シリーズなどの旧機種を利用している人々の買い替え需要を大いに刺激する可能性が高い(関連記事)。64Gバイトのストレージを搭載したモデルが399米ドルと、699米ドルからの現行機種「iPhone 11」に比べて4割以上安く、価格が449米ドルだった「iPhone 8」(以下、8)よりも安価にもかかわらず、11シリーズと同じアプリケーションプロセッサー(AP)「A13 Bionic」を採用している。A13の採用によって、人物写真を撮影する「ポートレートモード」などで、11並みのカメラ機能を備えた。加えて、A13によって、アプリの起動やAR機能の利用も8に比べて高速になるという。さらに、SEは11シリーズと同じく高速な無線LAN規格である「IEEE802.11ax(Wi Fi 6)」に対応している。

第2世代のiPhone SE。本体色はブラックとホワイト、「(PRODUCT)RED」の3種類
第2世代のiPhone SE。本体色はブラックとホワイト、「(PRODUCT)RED」の3種類
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 買い替え需要を大いに刺激しそうなSEだが、Android端末の利用者やフィーチャーフォン(いわゆる「ガラケー」)の利用者をどこまで取り込めるかがアップルにとって重要である。こうした乗り換え利用者を獲得する上で取り巻く環境は厳しい。新型コロナウイルスの影響と中国メーカーによる追い上げである。

 オンライン販売は継続しているものの、新型コロナの感染拡大を抑制するため、店頭販売の機会は減り、アップルの直営店「アップルストア」もその多くが閉鎖中である。iPhoneは、実際に目で見て、手で触れたときの感触まで深く考慮して設計されている。アップル直営店は、ユーザー体験の向上を図った造りで、iPhoneなどのアップル製品の価値を確かめやすい場所だ。店員とのコミュニケーションを取りやすく、新製品の特徴をつかみやすい。それだけに、SEの船出にとって、マイナスであることは否めない。

 中国ファーウェイ(Huawei Technologies)や中国シャオミー(Xiaomi)、中国オッポ(OPPO)といった中国メーカーによるコスパのよいAndroid端末が増えており、シェアも伸びている。中には、背面カメラを複数備え、5G対応で約500米ドルというAndroid端末もある。