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 トヨタ自動車の子会社でソフトウエアを中心にモビリティーの開発を担うウーブン・プラネット・ホールディングスは2021年4月27日、配車サービス大手の米Lyft(リフト)の自動運転部門「Level 5」を買収すると明らかにした。買収額は5億5000万米ドル(1米ドル=108円換算で594億円)である。リフトの競合である米Uber Technologies(ウーバーテクノロジーズ)は、自動運転子会社を20年12月に米Aurora Innovation(オーロラ・イノベーション)に売却している。ウーバーと同じく、自動運転に関しては配車サービスに徹する方針のようだ。

パロアルトにあるリフトの自動運転部門が入っている建物
パロアルトにあるリフトの自動運転部門が入っている建物
(撮影:日経クロステック)
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 今回の取引は、21年1月に、旧トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)から移行して事業を開始したウーブン・プラネットにとって、初めての買収案件だという。リフトによれば、同年第3四半期に取引が完了する見通しである。

 今回の買収によって、ウーブン・プラネットは人材面と技術面で強化を図るほか、グローバル展開も加速させる。本社がある東京に加えて、米パロアルトや英ロンドンに開発拠点を拡大する。リフトの自動運転部門はパロアルトにオフィスを構えている。さらに、リフトのシステムと車両データを活用し、ウーブン・プラネットが開発する自動運転技術の安全性と商品化を加速させるための協業にも合意した。

パロアルトで走行中のリフトの自動運転車両
パロアルトで走行中のリフトの自動運転車両
(撮影:日経クロステック)
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 ウーブン・プラネットは事業開始から矢継ぎ早に、自動運転の強化策を打ち出している。約2週間前の21年4月14日(現地時間)には、ウーブン・プラネットは自動運転技術を手掛ける米国の新興企業Apex.AI(エイペックスAI)との提携を発表している。自動運転向けソフトウエアの開発環境強化が狙いだ。

 21年3月には、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の「Woven Capital」を通じて、自動配送技術を手掛ける米国の新興企業Nuro(ニューロ)に出資したことを明らかにしている。

 トヨタ自動車グループで見ると、デンソーと共に出資していたウーバーの自動運転子会社を買収したオーロラと、21年2月に提携している。海外企業の技術を取り込みながら、自動運転の技術開発に力を入れているわけだ。