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 米シリコンバレーで創業した中国系自動運転企業のうち、Pony.ai(ポニー・エーアイ、小馬智行)と並んで頭角を現し始めたのが、WeRide.ai(ウィーライド・エーアイ、文遠知行)である。2021年5月に初めて評価額を明らかにした。その額は33億米ドルで、10億米ドルを超える、いわゆるユニコーン企業である。同社は自動運転車による移動サービスの商用化に向けて着実に歩みを進めている。

 ウィーライドは、かつて中国Baidu(バイドゥ、百度)の自動運転開発部門にいたTony Han氏がシリコンバレーで17年に創業した企業である。その後、同年に中国の広州に本社を設立し、米国と中国で自動運転技術の開発やロボタクシーの試験運用を続けてきた。18年10月にフランスRenault(ルノー)と日産自動車、三菱自動車のアライアンスの投資会社を通じて出資を獲得するとともに、戦略提携を結んだことで注目を集めた。

 ウィーライドは着実に実績を積んでいる。例えば、19年11月に、広州で144平方kmの公道をカバーするロボタクシーサービスの試験運用を開始した。20年6月に中国Alibaba(アリババ、阿里巴巴)と提携し、同社の地図アプリを通じて広州のロボタクシーを呼べるようにしている。広州のロボタクシー開始の1年後に当たる20年11月に成果報告書を発表。1年間で、約14万7000回の搭乗があり、6万人以上の乗客が利用したという。20年4月時点で、自動運転車両は米中合計で100台に達するなど、新興企業の中では比較的多くの台数を保有する。

広州を走行するウィーライドの自動運転車両
広州を走行するウィーライドの自動運転車両
(出所:ウィーライド)
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