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グーグルが出したARのキラーアプリ

 グーグルもまた、約10年前からARの取り組みを強化してきた。例えば2012年にARグラス「Google Glass」を発表し、AR業界で一躍注目の的になった。だが、コンシューマー(民生)用途での普及を目指していたもののそれはかなわず、一時プロジェクトは中断。その後B to B用(業務用)として再出発を果たした。同用途向けARグラスの現行機である「Glass Enterprise Edition 2」を2019年5月に発表している。

「Glass Enterprise Edition 2」(画像:グーグル)
「Glass Enterprise Edition 2」(画像:グーグル)
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 モバイル向けARでは、距離画像センサーによる3次元(3D)認識を活用した研究開発プロジェクト「Project Tango」を2014年に発表。その後、同センサーを搭載したスマートフォンやタブレット端末を発売したものの、2018年3月にサポートを終了。代わりに同月に提供を始めたのがARフレームワークの「ARCore」である。Tangoが距離画像センサーの利用を前提にしていたのに対して、ARCoreでは同センサーを利用しなくてもモバイルが採用する一般的なカメラでARを実現する。

 グーグル自身もARアプリを開発して提供している。例えば2017年に「Google Lens」を発表。同アプリは、モバイルに搭載したカメラをかざした物体を認識してその物体に関連する情報を検索・表示したり、カメラ画像内にある文字を認識したりできる。こうした情報はカメラで撮影している画像に重ねて表示するので、一種のARアプリと言える。

 こうした一連のグーグルの取り組みの中で、Inbar氏が「既に多くのユーザーが利用しているキラーアプリ」と評するのが、地図アプリ「Google Maps」向けの「Live View」機能である。同社が2019年に提供を始めた機能で、現実空間にカメラをかざすと、目的地を示すマークや目的地までの道順を示す矢印などをカメラで撮影した映像に重ねて表示する。