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 2020年6月16日(現地時間)、米マイクロソフト CEOのサティア・ナデラ氏が画像認識技術の国際学会「CVPR(Computer Vision and Pattern Recognition) 2020」の基調講演に登壇した。新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、基調講演はあらかじめ録画したものを同日に放映したものである。この中でナデラ氏は、進化が著しいコンピュータービジョン(画像認識技術)の「光(正)」の面と「影(負)」の面について語った。正の面とは、利便性の向上につながる研究開発成果である。距離画像センサー「Kinect」シリーズやMR(Mixed Reality)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「HoloLens」シリーズといったコンピュータービジョンに、Azureを組み合わせて実現した最近の研究成果事例を紹介した。負の面とは、コンピュータービジョンによるプライバシー侵害や差別の助長につながる可能性だ。中でも、米国内でプライバシー侵害の懸念の声が高まっている顔認識技術の利活用に対する同社の方針を明かした。

講演するマイクロソフト CEOのナデラ氏
講演するマイクロソフト CEOのナデラ氏
(画像:CVPR 2020の基調講演動画をキャプチャーしたもの)
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マイクロソフトにおけるコンピュータービジョンのブレークスルー
マイクロソフトにおけるコンピュータービジョンのブレークスルー
(画像:CVPR 2020の基調講演動画をキャプチャーしたもの)
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 KinectやHoloLens、Azureなどを組み合わせたコンピュータービジョンの研究開発成果として紹介した事例は大きく3つある。第1に、複数のコンピュータービジョンから得られるデータを統合して空間状況を把握する技術である。ある空間内の物体や人間の動きなどを認識する。例えば組み立て作業では、作業中の人の手の動きを追跡して分析。その結果、実装し忘れた部品がないかどうか、間違えた手順で組み立てていないかどうかなどを検出できるという。

空間把握の例。コンピュータービジョンで物体認識や作業員の手の追跡を行っている
空間把握の例。コンピュータービジョンで物体認識や作業員の手の追跡を行っている
(画像:CVPR 2020の基調講演動画をキャプチャーしたもの)
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