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 米Meta Platforms(メタプラットフォームズ、旧フェイスブック)は2022年6月20日、ディスプレー技術を中心に、これまで取り組んできたVR(Virtual Reality)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)の研究成果を披露した。その集大成として見せたのが、スキーゴーグルのサイズにまで小型化したコンセプトモデルである。その姿は、SF映画「レディ・プレイヤー1」に登場する未来のVRゴーグルそのもの。あくまでコンセプトモデルという位置付けだが、これまでの研究成果を結集することで理想的なHMDを実現できることを見せたことは大きい。ゴーグル並みにすることで、メタバース市場の拡大を促しそうだ。

図1 ゴーグルサイズのコンセプトモデル「Mirror Lake(ミラーレイク)」
図1 ゴーグルサイズのコンセプトモデル「Mirror Lake(ミラーレイク)」
(画像:Meta)
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 コンセプトモデルの名称は「Mirror Lake(ミラーレイク)」である(図1)。これは、米国のヨセミテ国立公園にある著名な湖から取ったとみられる。同湖は、その名の通り、鏡のように美しい水面がウリで、周囲にある山や森などの景色が水面に反射し、まるで本物のように浮かび上がる(図2)。現実と見間違うようなリアルな仮想空間を表示するというメタの目標を反映した名称といえる。

図2 ヨセミテ国立公園内のミラーレイク
図2 ヨセミテ国立公園内のミラーレイク
(撮影:日経クロステック)
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 ミラーレイクは「ビデオシースルー(ビデオ透過)型」と呼ばれる種類のHMDである。内蔵カメラで撮影した周囲の映像に仮想物体を重ねてディスプレーに表示する。MR(Mixed Reality)用でもある。

 今回、大別して5つの研究成果を発表し、これらを結集したのがミラーレイクだとする(図3)。このうち4つはディスプレー技術に関するもので、残り1つはハードウエアの小型・軽量化に関するものだ。多数のプロトタイプを造り、これら技術の検証を2015年ごろから実施してきた。

図3 メタが試作してきたプロトタイプの数々 
図3 メタが試作してきたプロトタイプの数々 
(画像:Meta)
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