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 米Googleは2020年8月11日(現地時間)、Android端末における地震の早期警報に関する取り組みを発表した。大きく2つある。1つは、米国の西海岸側で生じる地震の早期警報システム「ShakeAlert」による警報をAndroid端末で直接受信できるようにしたこと。もう1つは、Android端末の加速度センサーを利用した地震の早期警報システムの開発である。多数の地震計を特定の場所に分散配置する従来型の同システムに比べて、安価かつ広範に展開できる。既に早期警報システムが存在する地域では、同システムを置き換えるのではなく、補完するものとして、まだ導入されていない地域に対しては、低コストに実現できる早期警報システムとして採用されることを目指している。

Android端末に送信される「ShakeAlert」による警報のイメージ
Android端末に送信される「ShakeAlert」による警報のイメージ
(出典:Google)
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大きな地震が発生する恐れがある場合、机の下に隠れるように促すグラフィックスが表示される
大きな地震が発生する恐れがある場合、机の下に隠れるように促すグラフィックスが表示される
(出典:Google)
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 地震の波には、「P波(初期微動)」と「S波(主要動)」の2つがある。P波は伝搬速度が高いものの、揺れが小さい。一方で、S波はP波に比べて伝搬速度が遅いが、大きな揺れを生じさせる。そこで地震早期警報システムでは一般に、ある地域に設置された複数の地震計でP波を検知して、S波が到達する前に警告を出す。ShakeAlertも同様である。現在、ShakeAlertによる地震の早期警報は、モバイル端末に緊急情報を配信するネットワーク「Wireless Emergency Alerts」か、あるいは「MyShake」といったスマートフォンアプリを通じて送信される。カリフォルニア州やワシントン州といった米国の西海岸側では、数年~数十年おきに大型地震が発生し、大きな被害をもたらしてきた。米地質調査所(USGS:United States Geological Survey)によれば、例えばカリフォルニア州でマグニチュード6.7以上の大型地震が今後30年間で発生する確率は99.7%だという。こうした状況だけに、地震早期警報システムは大きな意味を持つ。

比較的マグニチュードが小さい地震に対する警告はメッセージにとどまる
比較的マグニチュードが小さい地震に対する警告はメッセージにとどまる
(出典:Google)
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 今回、GoogleはAndroid端末で直接、ShakeAlertからの警告を受信できるようにした。まず対象は、カリフォルニア州である。この実現にあたり、GoogleはUSGSとカリフォルニア州知事の緊急サービス室(Cal OES:California Governor’s Office of Emergency Service)と協力した。Googleによれば、ShakeAlertでは、USGSと米カリフォルニア大学バークレー校、米カリフォルニア工科大学によって設置された700超の地震計の信号を利用している。

 ShakeAlertから発する情報を基にして、Android端末で表示する警告情報は大きく2つある。1つは、例えばマグニチュード6.0を超えるような大きな地震が発生する恐れがある場合だ。同端末から大きな警告音を発しつつ、マグニチュードと震源までの距離を記した警告メッセージのほか、机の下に隠れるように促すグラフィックスを表示する。もうひとつは、比較的マグニチュードが小さい地震に対する警告で、画面に表示するのはマグニチュードと震源までの距離を記した警告メッセージにとどめる。