全1281文字
PR

 米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の組織「Office of Defects Investigation(ODI)」が、米Tesla(テスラ)の運転支援システム「オートパイロット」の調査に乗り出した。対象は2014~21年型の電気自動車(EV)「Model X」「Model S」「Model 3」「Model Y」の4車種で、約76万5000台におよぶ。

テスラの「Model Y」
テスラの「Model Y」
(出所:テスラ)
[画像のクリックで拡大表示]

 今回、NHTSAが調査を開始するのは、オートパイロット起動中に生じた事故による。NHTSAの書類によれば、18年1月から21年7月にかけて、救急や警察、消防といった「ファーストレスポンダー」がいる現場にテスラ車が突っ込み、車両に衝突した事故が11件発生。17人の負傷者と1人の死者が出た。衝突までの間、テスラ車はオートパイロット、あるいは周囲の状況に合わせて車両の速度を調整する「Traffic-Aware Cruise Control」機能を起動していたという注1)

注1)テスラのWebサイトによれば、Traffic-Aware Cruise Controlはオートパイロットの機能の1つと位置付けられている。

 一連の事故の大半が日没後に発生した。ファーストレスポンダーがいる現場には緊急車両のライトや反射矢印板、ロードコーンなどがあったにもかかわらず、衝突事故が起きたとする。すなわち、こうした現場の目印をオートパイロットが夜間に認識できなかった可能性がある。