米Microsoft(マイクロソフト)がゲーム事業で大胆な価格戦略に出た。2020年9月9日(現地時間)、同社は2020年11月に発売予定としていた据え置き型ゲーム機「Xbox Series X」を同月10日に発売すると明らかにした。店頭予想価格は499米ドル(約5万3000円)。加えて、グラフィックス性能を抑えたり、ハードウエアを省略したりして安価にした小型機「Xbox Series S」を新たに発表した。同日発売で、店頭予想価格は299米ドル(約3万2000円)とSeries Xに比べて約4割安い。性能が異なるとはいえ、300米ドルを切る値付けはインパクトが大きいと言える。
併せて、本体とサブスクリプション型ゲームサービス「Xbox Game Pass」の「Ultimate」プランをセットにした、初期費用が不要な月額プラン「Xbox All Access」を用意。支払い期間は24カ月で、Series Xは月額24.99米ドル、Series Xは同34.99米ドルである。24カ月の支払いが済むと本体は手元に残る。Xbox All Accessプランは現行機で既に導入済みで、それを次世代機でも採用した。すなわち、ハードウエアもサブスクリプション化することで、購入のハードルを下げる戦略である。Ulitimateプランを24カ月利用して本体価格を加えた場合と、All Accessプランを比較した場合、All AccessプランのほうがSeries Xでは19米ドル、Series Sでは59米ドル安くなる。
さらにMicrosoftはXbox Game Passの強化策も打ち、ゲーム事業の拡大を狙う。Ultimateプランとパソコン向けプランの加入者は、20年のホリデーシーズン(年末)から大手ゲーム会社の米Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ、EA)のサブスクリプション型サービス「EA Play」の会員権を追加料金なしで獲得できる。加えて、Ultimateプラン加入者は、20年9月15日から追加料金なしでクラウドゲームサービス「Project xCloud」を利用できる。配信対象の端末は当初、Android搭載機である。Xbox Game Passの強化策によって、All Accessプランを選択するユーザーが増えそうだ。