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新たな3つの安全機能

 大きく3種ある。第1に、緊急通報機能の拡張である。アプリ内の青いシールド(盾)マークのアイコンをタップすると、米国であれば緊急通報先(911)に電話がつながる。今回、新たにテキストメッセージを911のセンターに送信できるようにする。ユーザーが搭乗しているクルマの車種やナンバー、現在位置などを定型文としてアプリが自動生成。これを送れば、すぐにセンターに通報できる。その後、センターにいる係員とメッセージで状況をやり取りする。テキストでのやり取りになるので、運転手に気づかれにくいという利点がある。2019年10月からロサンゼルスで提供を始め、順次、各地域に広げていく。

テキストメッセージでの911への緊急通報の利用イメージ。ウーバーのスライド(撮影:日経 xTECH)
テキストメッセージでの911への緊急通報の利用イメージ。ウーバーのスライド(撮影:日経 xTECH)
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 第2に、運転手の顔認証機能の導入である。運転者がサービスを開始する前に、スマートフォンのカメラを用いて「自撮り写真」を撮影し、ウーバー側に送信。あらかじめ運転者が登録している顔写真と照合し、本人だと確認できれば、サービスを開始する。できなければサービスを開始できないようにする。安全性を高めるために、顔の正面だけでなく、横顔や笑顔など、複数のパターンで照合するという。ウーバーでは通常、ライドシェアを頼むと、アプリの画面に登録された運転手の顔写真や車種、クルマのナンバーなどが表示される。そういった情報を頼りに、ユーザーは配車されたクルマに乗る。

顔認証のデモ。笑顔で照合している様子(撮影:日経 xTECH)
顔認証のデモ。笑顔で照合している様子(撮影:日経 xTECH)
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 だが、その登録された運転手とは別の人物が運転している場合がある。実際筆者も経験した。配車された車両に登録されていた写真の人物ではなく、別の人が運転していたことがあった。その場合、登録された運転手が車両の「オーナー」で、実際には運転していない。こうしたオーナーは複数の車両を所有し、別の人物に運転させているという。運転手は、犯罪歴などがチェック(バックグラウンドチェック)され、問題ないとされた人物が務めている。だが、登録者と実際の運転手が別だと、そのチェックが意味をなさない。そこで、顔認証機能が導入したとみられる。ユーザーにとっては安全性が高まる。

 第3が、搭乗時の認証コード確認機能である。配車を依頼した際に、4桁の番号(PIN)がユーザーのアプリに表示される。配車された車両がユーザーの待機場所に到着した際に、ユーザーはそのPINを運転手に口頭で伝え、運転手はその番号を運転手用アプリに入力し、正しい番号であれば、サービスを開始する。将来は、口頭ではなく、超音波によるデータ伝送技術を利用して4桁の番号をユーザーと運転手でやり取りするという。

配車を依頼した際に、4桁のPINがユーザーのアプリに表示される。スマホの画面の右下にある、青地に白抜きの文字で表示された数字がPIN(撮影:日経 xTECH)
配車を依頼した際に、4桁のPINがユーザーのアプリに表示される。スマホの画面の右下にある、青地に白抜きの文字で表示された数字がPIN(撮影:日経 xTECH)
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 ライドシェアサービスでは、配車された車両とは別のものにユーザーが乗ってしまうことがある。空港やイベント会場など、多数の人が同じ時間帯に、同じ場所で配車をリクエストした場合に生じやすい。その対策のために導入した。