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 米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)は2021年9月28日(米国時間)、家庭用ロボット「Astro(アストロ)」を発表した。音声認識や画像認識などのAI(人工知能)技術を搭載し、遠隔からの監視・見守り用途やセキュリティー用途、家族とのコミュニケーション、簡単な作業支援といった用途に向ける。各部屋の地図(マップ)を自動で作製し、周囲の様子を認識しながら自律的に移動できる。マップ上に存在しなかった障害物が落ちていたり、人が現れたりしても、検知して回避する。「Alexa(アレクサ)」のような音声対話機能を搭載する。

家庭用ロボット「Astro」
家庭用ロボット「Astro」
(撮影:日経クロステック)
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マップになかったバッグを回避するAstro
マップになかったバッグを回避するAstro
移動中を撮影したためAstroがぶれて写っている(撮影:日経クロステック)
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突然、部屋の入り口から人が現れて停止するAstro
突然、部屋の入り口から人が現れて停止するAstro
(撮影:日経クロステック)
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部屋の入り口が人でふさがれているので方向転換したAstro
部屋の入り口が人でふさがれているので方向転換したAstro
その後、別ルートから目的地に到達した(撮影:日経クロステック)
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「Day 1 Editions」プログラムとして、まず米国の招待者に対して限定販売する。21年後半に出荷予定である。Day 1 Editionsプログラムの一環として、割引価格で販売する。具体的には、アマゾン傘下の米Ring(リング)が提供するサブスクリプション型のセキュリティーサービス「Ring Protect Pro」の6カ月分の利用権を含めて、999.99米ドルで提供する。

 Day 1 Editionsは「発展途上の製品」という側面がある。利用者のフィードバックを得てから、それを反映するなどし、最終製品として販売する。これまでも、いくつかのハードウエア製品をDay 1 Editionsとして招待者に対してだけ販売後、おおよそ数カ月から1年後に一般消費者向け製品として販売してきた。中には、一般販売されず、Day 1 Editionsで終了する製品もあった。Astroがどうなるか分からないものの、一般発売までには、これまでと同じくらいの期間を待つ必要がありそうだ。

 今回の発表に合わせて、アマゾンは米国でAstroのデモを披露した。自宅を模したスペースで、専用アプリを用いながら、さまざまなシーンでの利用例を見せた。同社のCharlie Tritschler氏(Vice president, Product)とAnthony Robson氏(Principal Product Manager)がAstroの説明やデモを行った。

左がアマゾンのTritschler氏、右がRobson氏
左がアマゾンのTritschler氏、右がRobson氏
取材時やデモ時は両氏ともマスクを着用していた。この写真も、両氏から2m以上離れて撮影している(撮影:日経クロステック)
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