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 国土交通省は、堤防など海岸保全施設より海側の「堤外地」の高潮対策に本格的に取り組む。高潮で物流や産業活動に大きな被害が出る恐れのある堤外地を対象に官民共同で防災計画を作成し、ハードとソフトの両面で対策を推進する。

堤外地での高潮被害の例(出所:国土交通省)
堤外地での高潮被害の例(出所:国土交通省)
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 日本の国際海上貿易の約7割(80兆円)を占める東京、伊勢、大阪の三大湾では、臨港地区や人工島など港湾地域の83%が堤外地となっている。海に面する堤外地では、高潮に対する防護水準が堤内地より低いため浸水する可能性が高い一方で、浸水対策などは一般に堤外地に立地する企業が自主的に行っている。

 立地企業の中には高潮に対する事業継続計画(BCP)や避難計画を作成していなかったり、岸壁やコンテナ、バルクヤードのかさ上げを実施していなかったりするところもある。災害発生時の近隣企業との連携が不十分な例もみられる。

 こうしたなか、三大湾でひとたび甚大な高潮被害が出れば日本経済に大きなダメージが生じる可能性が高いため、国交省では行政と企業が連携して高潮被害の低減に取り組む必要があると判断。有識者らで構成する「港湾の堤外地等における高潮リスク低減方策検討委員会」(委員長:岡安章夫・東京海洋大学学術研究院教授)を立ち上げ、昨年1月から検討を進めてきた。2月22日に開いた第4回会合で、高潮被害を低減するためのガイドライン案を提示した。

堤外地と堤内地における従来の高潮対策(出所:国土交通省)
堤外地と堤内地における従来の高潮対策(出所:国土交通省)
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