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「堤防かさ上げより安い」は幻に

■閉伊川河口部の津波対策の検討
■閉伊川河口部の津波対策の検討
岩手県が2011年度に実施した検討の概要。岩手県の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 岩手県は閉伊川河口部の津波対策に着手する前の11年度、水門案と河川堤防かさ上げ案を上の表のように比較検討した。地元自治体の宮古市では堤防かさ上げを望む声もあったが、県は防災効果がより高いうえにコストも抑えられるとして水門を選択した。

 しかし現在、水門のコストの優位性は失われている。土木工事費のほかに用地補償費も増額となり、事業費は16年5月時点で295億円と、11年度時点の堤防かさ上げ案の235億円を大幅に超えた。県は現在の事業費を算定中であるとして明らかにしていないが、土木工事費だけで堤防かさ上げの事業費を上回っている。

 費用を実質的に全て国費で賄う事業ではあるが、進捗を見つめる近隣住民の視線は厳しくなりそうだ。

(関連情報:岩手県のウェブサイト:閉伊川災害復旧状況