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 鹿島は、コンクリートを締め固めるバイブレーターの電源などの機器類を軽量化してバックパックに組み込み、背負ったまま作業できる「ウエアラブルバイブレーター」を開発した。打設に必要な作業員の数を減らせるほか、小回りが利くので狭い場所で作業しやすくなりコンクリートの品質向上につながる。

ウエアラブルバイブレーター。バックパックの寸法は縦横33.5cm、厚さ12.5cm(出所:鹿島)
ウエアラブルバイブレーター。バックパックの寸法は縦横33.5cm、厚さ12.5cm(出所:鹿島)
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 バイブレーターは、発電機とインバーター、コンクリートに挿入する振動体から成る。それぞれをつなぐコードは太くて重いので、振動体を操作する作業員とコードの取り回しや電源スイッチの切り替えを担当する「線持ち」という補助作業員が2人1組で取り扱うのが一般的だ。人手を要するうえ、打設計画に沿って発電機やコードの配置などを事前に検討する必要がある。

 同社は、電源やインバーターなどを収納する鋼製のバックパックを開発。重量を約6kgまで抑えた。コードや振動体を含めても10kg足らずで、1人で背負って持ち運びながら作業できる。作業員1人当たりの負荷は増えるものの、締め固め作業の人数を半分にできるので、費用面でのメリットは大きい。

 動力源には発電機の代わりに、電気自動車などで用いる、大容量でパワーがあるリチウムイオン電池を採用。従来のバイブレーターと比べて遜色ない振動を加えることが可能だ。

 人間工学の観点からの改良も加えた。物を背負ったまま作業する場合、重心が高い方が負担を感じにくいという知見を生かして、重量の大部分を占めるリチウムイオン電池をバックパックの上部に配置した。