新名神高速道路の建設現場でまた死亡事故が発生した。3月15日に橋梁工事の作業員が仮桟橋の鋼材とともに川に転落して死亡した。工事を発注した西日本高速道路会社は、新名神で施工中の16件の橋梁工事を全て中断し、緊急点検を進める。
新名神の建設現場では、2016年4月に神戸市で橋桁が落下して作業員2人が死亡し8人が負傷した事故を皮切りに、この2年間で計5件の死亡事故が相次いで発生している。
今回事故が起こったのは、23年度開通予定の八幡京田辺ジャンクション(JCT)―高槻JCT間(延長10.7km)に建設している淀川橋の工事現場(大阪府枚方市)。
3月15日午後4時16分ごろ、仮桟橋の組み立て中に導枠のH形鋼の先端部が傾いて約5m下の淀川に落下。導枠の先端部にいた男性作業員(32歳)がH形鋼とともに川に転落した。作業員は安全帯やライフジャケットを着用していた。
午後4時18分に119番通報を受けた枚方寝屋川消防組合が現場に駆け付けたところ、作業員は既に心肺停止の状態だった。午後5時33分、搬送先の病院で死亡が確認された。
事故当日の午後9時に会見した西日本高速の村尾光弘・関西支社長は、「新名神の建設工事では重大事故が複数発生しており、事故根絶非常事態宣言を発令し、安全対策の徹底を図ってきたが、再びこのような死亡事故が発生したことについて誠に申し訳なく思っている」と陳謝した。