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 工事現場の安全確保の責任者としてまず思い浮かぶのは施工者だが、実際は発注者も責任を負っている。両者でどのように責任を取り、損害賠償を分け合うか――。津市で、この問題を巡る受発注者間の紛争が表面化している。

擁壁が崩落した事故現場(出所:ビオス法律事務所)
擁壁が崩落した事故現場(出所:ビオス法律事務所)
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 問題になっているのは、2012年に津市発注の道路工事で起こった労災事故だ。左足切断の重傷を負った被害者が市を相手取り、損害賠償を求めて提訴。敗訴した市は判決に基づいて約9300万円を被害者に支払ったものの、その直後、施工者にその全額の負担を請求した。

 判決とは別に、施工者は既に被害者に賠償を支払っている。市の賠償責任を認める判決が確定したにもかかわらず、全額の負担を求められたことに強く反発。施工者の申し立てを受けた津簡裁の調停が4月9日から始まる。