国土交通省は、土木工事・業務の積算基準を4月1日から改定する。企業の研究開発費の増加などを踏まえて一般管理費を引き上げるほか、i-Constructionの普及に向けた新たな基準を設定する。
一般管理費などを算出する際に工事原価に乗じる「一般管理費等率」を、現行の7.41~20.29%から、7.47~22.72%に見直す。これにより、原価が2億円の工事の場合、一般管理費等率が約1ポイント増える。
土工(掘削)では、施工効率が低くなりがちな土量の少ない工事を実態に合わせるため、土量1万m3未満の区分を新たに設ける。2016年度の発注工事で見ると、1万m3未満の工事件数は全体の約4割を占める。
ICT(情報通信技術)などを活用して工事現場の生産性向上を図る「i-Construction」の普及に向けて、ICT土工の積算基準と要領を見直す。従来のICT土工では、使用する建機のうちICT建機の割合を25%と一律に定めて歩掛かりを決め、全体の施工土量を掛けて積算していた。しかし、実際のICT土工ではICT建機の使用率が25%を超える工事が9割以上に上る。そこで当面、実際にICT建機で施工した割合に応じて後で精算できるようにする。
ICT施工を浚渫(しゅんせつ)工(河川)にも導入できるようにICT浚渫工(河川)の積算基準を新設する。ICT浚渫工に必要な建機のリース料の増額分や初期導入経費の項目を追加。併せて、ICTの導入に伴う補助労務の減少や1日当たりの施工量の増加を積算基準に反映させる。